米国に移り住んでから気付いたこと:新連載・松村太郎の「バークレー生活研究所」(1/3 ページ)
米国在住のジャーナリスト、松村太郎氏の新連載では、現地のテクノロジーやビジネス、カルチャーなどを体験的に紹介していく。ところで、松村氏はなぜ米国に移り住んだのだろうか……?
皆さんこんにちは。
筆者は、米国カリフォルニア州北部にある都市、バークレーに2011年11月から住み始めました。途中ビザの更新などで日本に滞在する期間もありましたが、間もなく5年目が始まろうとしています。
この連載は、米国のテクノロジーやビジネス、カルチャーなどを体験的にお伝えしていこうと考えております。もちろん、その時々の話題も織り交ぜながらお伝えしていきますが、できるだけ少し肩の力を抜いて読めて、気付きのあるエッセイに仕立てていこうと思います。どうぞお付き合いいただければ幸いです。
質問などがあればtwitterやメールなどでお送りください。また、仕事や旅行などでバークレーにいらっしゃる際には、ぜひ一声お掛け下さいね。それでは、さっそく始めましょう。
2011年に米国に来るまで
連載を始めるにあたり、まず筆者がどんな経緯でバークレーに住み始めたのかということに触れておきたいと思います。
筆者は2005年からフリーランスのジャーナリストとして、モバイルを中心としたテクノロジーとライフスタイルについて記事を書いてきました。2009年に結婚する際に、何となく「経験として海外、例えば、米国あたりに住む期間があっても良いね」なんて話をしながら、少しずつ準備を始めていました。準備といっても、具体的には、資金を貯めることくらい。2011年に米国に渡ったのは、結論から言えば、お金が目標金額に到達したから、というのが最大の理由です。
とはいえ、すべて自力で貯めたわけではありません。元々、日本円で貯金をし始めていましたが、2009年当時のドル/円レートは円高進行のまっただ中。それでもまだ1ドル100円程度でした。これが、2011年には75円台まで一挙に進行したのです。貯金額では、ドルに換算すると、25%増えた状態だったので、資金を一気にドルに換えて、準備を具体化することにしました。
ちなみに為替については、米国での日々の生活に関係あることから興味を持つようになりました。朝のニュースで必ず「1ドル何円何銭」「1ユーロ何円何銭」くらいはアナウンスされていますが、筆者は現在も毎月円をドルに換えている関係上、その変動を細かく見ているのです。
世界の政治や経済による大きな変動が為替レートの動きとして反映されていく、興味深い「世界の見方の1つ」だと感じています。そうした大きな変動は、出来事に意味付けをしながらトレードをする投資家が動かしているわけです。
世の中には、数列から星の動きまでさまざまなサイクルやパターンが見出され、時間軸ごとに別のパターンが内包されています。しかしそれらを動かしているのは、それぞれの意志を持った人間です。積極的にトレードをするわけではありませんが、人の営みによるものだと分かった瞬間、強烈に興味が持てました。この話は、金融とITの融合、いわゆるFinTechの分野で、改めてインタビューを交えてご紹介したいと思います。
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