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東芝と化血研に共通する「名門意識のおごり」とは何か:スピン経済の歩き方(2/4 ページ)
東芝が不正会計処理をめぐって、大きく揺れている。この問題について、各方面の有識者がさまざまな分析を行っているが、筆者の窪田氏が興味を示しているのは「名門意識のおごり」。その言葉の意味は……。
「名門意識からのおごり」によって
もちろん、ご本人たちは鬼籍に入ってしまっているし、この手のエピソードは多少盛られるのが常なので、真相は分からない。時代背景も今とは大きく違っているが、2015年現在の東芝にもなんとなくあてはまる。3代にわたって続けられてきた不正会計にしても、「わが社は日本のものづくりをリードしているんだから、多少のインチキをしてもしょうがない」というような「おごり」が感じられるのだ。
気のせいじゃないのと思うかもしれないが、三鬼氏が言うところの「名門意識からのおごり」によってインチキやら隠蔽やらへ走ってしまうと組織というのは現代日本では少なくない。というよりも、わりとよくある。
その代表が、一般財団法人・化学及血清療法研究所(以下、化血研)だ。
製造の効率化を優先するあまり、国が未承認の方法で血液製剤やワクチンを製造していたという製薬会社にあるまじきダイナミックな不正もさることながら、世間が驚いたのはこの事実を理事長など幹部が知りながら、40年にもわたって隠蔽していたということだろう。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)が過去10年で合計21回のGMP(Good Manufacturing Practice)適合性調査業務を行ったが、まったくバレなかった背景には、調査で求められた過去の書類を偽造するだけではなく、紫外線を浴びせて変色させ古く見せかけるという徹底した「隠蔽工作」がある。
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