ちょっとしたところで迷ってしまう納税や確定申告に伴う税のあれこれ。現役の税理士による回答やアドバイスを聞ける「最適税理士探索ネット」の「知恵袋」から気になる質問を抜粋してお届けします。
Q:社内コンテストの賞金は「給与」?
社内で以下のイノベーションコンテストが開催されます。
- 社員より新しい商品、業務プロセスの改善案などのアイデアを広く募集
- 集まったアイデアから実現可能と思われるアイデアを12個選択
- 社員はその中から参加したいアイデアを選び、各アイデア5〜10名程度のグループを構成する。(全社員参加必須)
- 各グループはアイデアを更に深堀して、年度末に各グループがアイデアをプレゼンする。
- プレゼンの結果、最優秀グループは各人に3万円の商品券を商品として授与される。
この商品券を給与所得か一時所得のどちら(あるいはまた別の処理か)にすればいいか悩んでおります。
国税のタックスアンサーには
- No.2592 使用人等の発明に対して報償金などを支給したとき
社内提案制度等において、事務や作業の合理化、製品の品質の改善や経費の節約等に寄与する工夫、考案等をした人に対して支給される場合には、次のように取り扱われます。
(2) 通常の職務の範囲外である場合で、一時に支給されるものは一時所得
とされています。
今回のアイデアは職務の範囲外での行為であるので、一時所得なのかと思うのですが、「全員参加型」なので、これを強制性のあるものとして業務の一部とみられると給与所得になってしまうのかとも思っています。
どのあたりを判断の基準としたらいいのでしょうか?
回答1
本件は、「通常の職務の範囲」の捉え方が論点と認識しています。例えば、経理部門の人が本件のような経理業務以外のことをした場合、通常の職務の範囲に該当するのか否かということです。
私見ですが、本件は、通常の職務の範囲内として、給与所得として処理すべきではないかと考えます。
理由として、
- 本件があくまでも「会社の」商品や業務プロセスのアイディアであり、程度の差はあれ、社員が会社の業務改善や新商品を考え、提案することは、広義には通常の職務の一部と考えられること
- そして、それに対価は、「労務の対価」と考えられること
砕けた言い方で失礼しますが、会社からすると、「会社のために良くやった(労務)。だから商品券(対価)をあげよう」という範疇のものだと思うのです。
私見ですので、異なる見解の先生等もいらっしゃるかもしれませんが、上記のように考えます。以上、ご参考にしていただければ幸いです。
回答2
「通常の職務の範囲外」であることが明確であれば一時所得ですが、提案が義務付けられていて、その作業等を勤務時間内に行うことが認められているような場合には、「通常の職務の範囲内」と認定されて給与所得課税される可能性もあるでしょう。
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