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なぜクリスマスに「苺と生クリームのケーキ」を食べるようになったのか:スピン経済の歩き方(3/4 ページ)
クリスマスに「苺と生クリームのケーキ」を食べるようになったのは、不二家の販売戦略があったからだと言われているが、本当にそうなのか。筆者の窪田氏が歴史をひも解いていくと、実は……。
日本は「ソフトクリームブーム」に
日本ソフトクリーム協議会には以下のような歴史が語られている。
ソフトクリームが日本に登場したのは1951年。明治神宮で開かれた進駐軍主催のカーニバルの模擬店で、初めてコーンスカップに盛られたソフトクリームが売られました。一般の日本人が、最初にソフトクリームを食べ、フリーザーの運転を見たのがこの時だったのです。
アイスクリームはすでに大正時代からあったが、この「柔らかいクリーム」を用いたアイスの出現が、日本人にカルチャーショックを与えたのは容易に想像できる。事実、この明治神宮ショック以降、有名店がこぞってソフトクリームを模倣していく。その中で「国産ソフトクリーム第1号」をうたって販売したのが、不二家だったのだ。
この後、日本は「第一次ソフトクリームブーム」と呼ばれる大ブームが押し寄せ、老若男女問わず米国が持ち込んだスイーツの虜になる。不二家もソフトクリーム特需で大いに潤った。このような「柔らかいクリーム」のアイスが大ブレイクするなか、カチカチのバターケーキをつくる旨味が少なくなっていけば、「柔らかいクリーム」を用いたケーキへ方針転換するのは、自然の流れといえいよう。
そのような「供給者」の目線にたってみると、今のクリスマスケーキにとって欠かすことのできない「苺」もまったく異なる解釈となる。
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