ドローンが人間を救う! 世界初の“救援隊”出動:水曜インタビュー劇場(正月編)(2/5 ページ)
2016年、ドローンがさまざまな場で活躍しそうだ。可能性が広がる中で、ドローンを使って「被災地の地図を作る」動きが進んでいる。世界初のプロジェクト「ドローンバード」とは、一体どういった仕組みなのか?
地図は日本で描いた
土肥: ネット上の地図といえば「Google マップ」や「Yahoo!地図」などを思い浮かべる人が多いと思うのですが、市民参加型の「OpenStreetMap(オープンストリートマップ)」というものがあるそうですね。オープンストリートマップは誰でも自由に参加できて、自由に編集できて、自由に利用することができるとか。
古橋さんはそのプロジェクトに携わりながら、災害が起きたときには被災地の地図作りに取り組んできたそうですね。具体的にどのように関わってきたのか教えていただけますか?
古橋: 2010年1月、ハイチで地震が起きたとき「自分に何かできることはないかなあ」と考えていました。するとオープンストリートマップの地図作成者(マッパー)が「ハイチの地図を作ろう」と言ってくれましたので、私も参加することにしました。地図がほとんどなかったエリアでしたが、現地の写真、人工衛星の写真、航空写真などを参考にしながら、災害によって壊れた道路を描いたり、建物を描いたり、港を描いたり。どんどん地図ができあがっていきました。
土肥: 地図は日本で描いたのですか?
古橋: はい。その後も、2010年2月のチリ地震、2011年3月の東日本大震災、2013年11月のフィリピン台風、2013年10月の伊豆大島土砂災害、2015年4月のネパール地震などで地図を作ってきました。
ネパール地震のときには、ドローンから空撮された写真を見て、世界中にいるマッパーが被災地の地図を作っていきました。ネパールの政府、ネーパルの軍はその地図を使ったと聞いているので、かなり役に立ったのではないでしょうか。
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