ファミレスでタダでバラまく新聞が、「軽減税率適用」を求める理由:スピン経済の歩き方(6/6 ページ)
ホテルやファミレスなどで新聞が無料で配られているのにも関わらず、読んだことがない人も多いのでは。大量の新聞紙が「刷られて、運ばれて、廃棄されて」いるわけだが、筆者の窪田氏はあることにスッキリしないという。それは……。
その「焦り」は、各紙の元旦社説にもよくあらわれているが、なかでも「税金で食わせろ」という言葉が喉まででているのが、『朝日新聞』だ。
世界が「分断」されているので、とにかく「連帯」をしろと高説を垂れるのは毎度のこととして、えげつないのは後半でさりげなく「ほらほら、ボクちゃんたちを大事にしなくちゃえらいことになるよ」というアピールを忍び込ませている点だ。
「私たちの社会が抱える分断という病理を直視し、そこにつけ込まない政治や言論を強くしていかなければならない。民主主義さえも台無しにするほどに深刻化する前に」(朝日新聞)
実はこれは部数減で窮地にたたされた『プラウダ』なんかの主張とほぼ変わりがない。ここまでくれば、「新聞文化を守るために国が支援をすべき」とか言い出すのも時間の問題だ。
2016年、新聞社の「左傾化」はさらにすすんでいきそうだ。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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