コンテンツマーケティングの進行で、営業マンが不要の時代に(2/3 ページ)
米国では今後5年間で、営業マンの22%、100万人が仕事を失うという調査結果をForrester社が発表。日本でもオウンドメディアを運営する企業が増えてきたが、この先にあるのは、どんな世界だろうか。B2B企業の営業マンは、本当に要らなくなるのだろうか……。
必要な製品や情報はネットで自分で探す
とはいえ、キーエンスがカバーしてくれるのは、ごく一部の企業にすぎない。同社とは関わりのない企業に勤めるあなたが、業務を行う上で何らかの製品やサービスが新たに必要になったとしよう。そのとき、あなたはどんな行動を取るだろうか。あなたの会社の取引先の中で、その製品・サービスを扱っていそうなところを見つけて、営業マンに電話をかけるだろうか。
今どき、そんなことをする人は少数派のはずだ。取りあえず自分で検索してみる人が、圧倒的多数派ではないか。仮に取引先営業マンに電話をかけるとしても、その前に一通りはネットで調べて、情報を頭に入れておくぐらいのことはするだろう。
自分で調べるのは、自分の都合でいつでもどこでも、ネットにつながりさえすればできる。アポイントを取って営業マンを呼ぶよりも、そのほうが便利で、時間を無駄にしない上に、得られる情報も幅広い。となると、そうした製品・サービスを提供する側としては、自社のサイトを見に来てもらわないことには話にならない。
オウンドメディアが営業マンの代わりになる
何らかの製品やサービスを顧客が探しているときに、自社の製品・サービスを見に来てもらうためのサイトがオウンドメディアである。コンテンツマーケティングとは、かいつまんで言えばオウンドメディアを運営し、そこからクロージングまでの一連の流れを作ることだ(リードジェネレーションから顧客フォローまでを、システム化することをマーケティング・オートメーションとも呼ぶ)。オウンドメディアの核となるコンテンツはビジネスブログである。このブログに事例レポートや調査分析レポートなどをくっつけ、資料請求のフォームを用意し、メルマガ登録もしてもらえるようにする。
ブログ記事では、自社製品の開発思想を語り、ユーザーの使用事例を掲載する。顧客が何より知りたいのは、自社と同じようなユーザーの事例だ。そこでは使用上のトラブルや、一工夫することで効率を高めているケースなどが最も有益な情報となる。従って、オウンドメディアのコンテンツは、可能な限り取材(開発者=作った人&ユーザー=使っている人)をして作ることが望ましい。
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