2016年の「給料」はアップする? 労使および専門家に聞く
民間調査機関の労務行政研究所は「賃上げに関するアンケート調査」を実施し、その結果を発表した。それによると……。
「4月になったら給料はアップするのかなあ」と気になっているビジネスパーソンも多いのでは。2016年の賃上げ見通しを東証1部・2部上場クラスの主要企業を目安に、労使の担当者および経済分野の専門家に聞いたところ、平均で6689円(2.12%増、定期昇給分を含む)増加するのではないかと予測していることが、労務行政研究所の調査で分かった。主要企業の2015年の賃上げは平均7367円(2.10%増、厚生労働省調べ)だったので、2016年はこの数値を下回るものの、賃上げ率は2%台に乗ると見込んでいる。
2016年の定期昇給については、労働側91.0%、経営側85.3%が「実施すべき(実施する予定を含む)」と回答。経営側の「実施しない(凍結する)予定」は3.5%にとどまった。
一方、ベースアップ(ベア:賃金カーブそのものを底上げする増額方式)については、経営側で「実施する予定」が30.1%、「実施しない予定」が37.8%。労使側では「実施すべき」が74.5%と4分の3を占めた。ベアに対する労使の見解には大きな違いがうかがえた。
「2010年以降、低迷する経営環境から、労使ともベアの実施には否定的な傾向が続いていたが、労働側は2014年に一転、実施派が主流となった。例年、ベア実施には慎重な姿勢を示してきた経営側も、2014年16.1%、2015年35.7%と『実施する』割合は増加。2016年は30.1%で2015年に比べるとやや減っているものの、3割がベア実施の意向を示している」(労務行政研究所)
東証1部・2部上場企業の労働組合関係者、人事・労務担当者および経済分野の専門家495人が回答した。調査期間は2015年12月7日から2016年1月14日まで。
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