新しいSurface、Windowsで実現する未来の働き方とは(2/2 ページ)
SurfaceシリーズとWindows10は私たちの働き方、そして企業のビジネスをどう変えていくのか――。その問いへの“解”ともいえるセミナーイベントの内容をお伝えする。
ビジネスの現場で活用が進むSurface
マイクロソフト発の2in1デバイス「Surface」シリーズ。2013年に日本で発売してから約3年がたったが、企業がSurfaceをビジネスの現場で活用するケースが徐々に増えてきているという。それでは、Surfaceはビジネスの現場でどう活躍するのか。同社 デバイス&モビリティ営業本部の辻康博氏が解説した。
タブレットにもPCにもなる、そんな2in1デバイスの大きなメリットは社員のワークスタイルを変える力になる点にある。いつでも、どこでも、そしてデバイスに縛られない働き方は、生産性を高めつつ、仕事をより快適にしてくれる。三井住友銀行や日立製作所といった大企業もそんな可能性に注目してSurfaceを導入したと辻氏は話す。
辻氏によると、Surfaceは特に営業や店舗で利用されるケースが多いそうだ。
「例えば、営業現場で対面に座ってプレゼンをするとき。一般的な10インチ前後のタブレットでは見づらいという声をよく聞きますが、Surface Proは12インチと大きくて見やすい。その画面にペンを使って書き込んだりしながら説明することで、より効果的なプレゼンができるのです」(辻氏)
Excelが使えるので現場ですぐ見積もり書などを手直しできるし、「Skype for business」などと組み合わせれば本社とコミュニケーションを取りながら見積書を提案するといったことも可能だ。顧客に必要な情報を迅速に提供することで、営業の機動力が高まるという。
小売り業の店舗では、1台のSurfaceで商品説明からPOS端末、カード決済まで行えるという。「Surface 3にはUSBポートやドッキングステーションがある。カードリーダーやバーコードリーダーなど、これまで利用してきた周辺機器をそのまま接続できるので、顧客対応を1つのデバイスで一貫して行えます」(辻氏)
また、店舗運営のマニュアル作成においては、紙のマニュアルから脱却し、マニュアル作成ツールをSurfaceに入れて活用することで、販売員教育にかかるコストも削減できているという。
工事現場でもSurfaceは活用されている。例えば電気工事では、CAD図面と現場の状況が異なると、そのたびに現場の人間が図面の更新と印刷をしに会社へ戻っていた。それがSurfaceを使えばディスプレイで最新の情報を反映したCAD図面を確認することで、その移動時間の無駄を減らせるという。
「図面共有アプリで現場の最新の状況を本部と共有することで、現場からSurfaceで最新のCAD図面を確認できるようになる。出もどりなしで円滑に工事を進められるため、生産性は格段に上がるでしょう」(辻氏)
さまざま業種で活用が進んでいるSurfaceだが、製品自体も「働く」「描く」「読む」の3つをコンセプトを軸に徐々に進化させてきた。2015年末にはその新製品「Surface Pro4」が登場。ディスプレイや広くなり、専用のペンも進化した。上についているボタンを1回クリックすればノートアプリ「OneNote」を起動でき、ひっくり返せば「消しゴム機能」も使える。
「紙のノートに鉛筆で書くような感覚を実現させました。筆圧を感知する機能もついており、力の入れ具合によって線の太さが変わります。OneNoteのほかにもOfficeや、アドビのIllustrator、Photoshopといった複数のアプリで利用可能です」(Windows本部 Surfaceマーケティングプロダクトマネジャーの土屋奈緒子氏)
業務用アプリの開発ツールや図面共有、報告業務といったアプリも続々と登場していることもあり、タッチ操作で業務アプリを使える日も遠くはないだろう。SurfaceとWindows 10でどのようなメリットが生まれるか、今抱えている課題の解決につながりそうか、一度考えてみるといいかもしれない。
ワークスタイル変革の課題について議論
最後のセッションでは、オフィス家具事業を展開する岡村製作所のマーケティング本部未来企画室長、遅野井宏氏、BtoB領域でアプリ開発事業を展開するジェナの代表取締役社長、手塚康夫氏、日本マイクロソフトのテクノロジーセンターセンター長、澤円氏の3人がパネラーとして昨今のワークスタイル変革の傾向や課題について議論。
「人事制度、オフィス、ITの3者が一体とならなければ、例えオフィスが変わってもから働き方は変わらない」といった新しいITツールの導入と並行した制度改革の必要性や、「ITは人のコミュニケーションを円滑にするためのツール。そこを重視した改革でなければならない」という今後のワークスタイル変革のあり方についての意見が飛び交っていた。
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