2020年、コンビニから「エロ本」「タバコ」が消えてしまうかもしれない:コンビニ探偵! 調査報告書(1/5 ページ)
コンビニはたくさんの商品を扱っているが、消えていく商品も数多い。販売不振で撤去されるだけでなく、「反社会的なモノを置いていていいのか!」といった世論の声を受けて、消えていく商品もあるかもしれない。それは……。
コンビニ探偵! 調査報告書:
「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。
ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
コンビニは商品やサービスを拡大しながら成長を続けてきた。酒屋から転換した業態なので、最初のころは弁当を売っていなかった。おにぎりやいなり寿司を置くようになり、それが今の弁当に発展したとも言われている。
お菓子、パン、ビールといった食料品のほかに、石けん、洗剤、シャンプーといった日用品まで並ぶように。このほかにも、コピー機やお歳暮の受付などさまざまなサービスを追加してきた。そんなこなんなで、いまとなっては1店舗で約3000アイテムを扱っている。
このように書くと「多いなあ」と感じてしまうが、その一方で消えていったモノやサービスもあるのだ。例えばDPE(Development Printing Enlargementの頭文字)。店頭で受け付けていた写真サービスは、コピー機の付属サービスへ変わっていった。
「写ルンです」で一斉を風靡(ふうび)したレンズ付きフィルムも全盛期は10〜20種類置いていたが、今はあっても1〜2種類だろう。店によっては品ぞろえを止めているところもある。ファックスもコピー機の付属サービスとして残ってはいるが、風前の灯火だ。
DPEやファックスなどは、テクノロジーの進化によって消えていった。人々の生活が大きく変化したことで、消えていったモノがある一方で、「売っていてはダメだ」という世論が消したモノもある。代表的なのは、プリペイド式携帯電話。販売期間も短かったので、知らない人も多いかもしれないが、一時期コンビニでプリペイド式携帯電話を売っていたのだ。
発売当初は「本当に売れるの?」と半信半疑のまま導入したが、すぐに売り上げは伸びた。しかし、このプリペイド式携帯電話、犯罪に使用されることなり、それを売ることは犯罪の片棒を担ぐのではという論調が強まった。そして、プリペイド式携帯電話は需要があったのにもかかわらず、コンビニから消えていったのだ。
関連記事
- あなたは大丈夫? 10〜20年後、人工知能に奪われる仕事100
人工知能によってあなたの仕事が奪われるかもしれない――。このような不安を感じている人も多いのでは。ある調査によると「労働人口の49%が人工知能などによって奪われる」という結果がでたが、この数字をどのように受け止めればいいのか。 - なぜいま“昭和型”の喫茶店「コメダ珈琲店」が人気なのか
ジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、人気企業・人気商品の裏側を解説する連載。今回は急成長中のコメダ珈琲店について読み解く。 - たいして儲かっていないのに、コンビニが「24時間営業」を止められない理由
今や、ほとんどのコンビニが24時間営業だ。いつでも開いていて便利な一方、さまざまな問題が生まれている。今回は、24時間営業のコンビニが抱えるジレンマについて調査した。 - コンビニのアルバイトが、集まらない事情
ここ数年、どのコンビニでもアルバイトが集まりにくいと聞いているが、最近はさらに状況が厳しくなってきているようだ。今回は、コンビニにおけるアルバイトの人材不足の現状について。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.