暴力団にどう対応すればいいのか コンビニの現場で注意すべきこと:コンビニ探偵! 調査報告書(4/4 ページ)
最近、メディアで暴力団同士の抗争が取り上げられ、不安に思う人も少なくないだろう。今回は、筆者が経験した暴力団とのトラブルとともに、法律の弱点について考えてみたい。
問題なのは暴力団“的”な行為
先の筆者の体験のように、暴対法は相手が本当の“暴力団”であれば警察が対応してくれる。しかし、やっかいなのは相手が暴力団でない場合だ。相手が暴力団でなくても、警察はいろいろと手を尽くしてはくれるが、対応しきれないこともある。暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律では、次のように定められている。
第三条 都道府県公安委員会は、暴力団が次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、当該暴力団を、その暴力団員が集団的にまたは常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれが大きい暴力団として指定するものとする。
(「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」より一部抜粋)
要するに、単なる無頼者(※)には効果がない法律なのだ。もちろん、暴力団でなくても不当な金銭の要求が明らかであれば、別の法律のもとに対抗することは可能だが「誠意を見せろ」など、ただ単に因縁を付けられるような場合は警察もお手上げのようだ。
暴対法は、暴力団という組織を軸に考えられた法律なので、何か問題が起こったときには、まず相手が暴力団であるかどうかが重要視される。違う視点で考えると、暴対法という法律ができたせいで、無頼者はそれを逆手に取りいちゃもんが付けやすくなったのではないかと筆者は考えている。
コンビニ経営者にとって、相手が暴力団かどうかは重要ではない。暴力団的な行為そのものが問題なのである。一般市民が安心して生活できるように、マジメなコンビニ経営者のために暴力団を否定するのではなく、「暴力団的な行為」を取り締まる法律ができることを願うばかりである。
著者プロフィール・川乃もりや:
元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿」
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