なぜ「大人のぬり絵」が世界中で売れているのか:来週話題になるハナシ(1/4 ページ)
いま世界で、すごい勢いで盛り上がっているトレンドがある。「大人のぬり絵」だ。ヒットしている理由のひとつに、現代社会のストレスが関係しているようだ。
来週話題になるハナシ:
24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。
そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。
いま世界で、すごい勢いで盛り上がっているトレンドがある。
「大人のぬり絵」だ。
なんと、Amazonの2015年ベストセラー本トップ10に、同カテゴリーが3冊もランクインするほどの人気ぶりなのだ。
トレンドの火付け役となったのは、2013年に英国で出版された『Secret Garden(シークレット・ガーデン)』だ。手書きのモノクロデザインを得意とする、スコットランド出身のイラストレーター、Johanna Basford(ジョハンナ・バスフォード)が手がけた「大人のぬり絵」だ。
実は、Amazonのベストセラー本に選ばれた3冊のうち、2冊はバスフォードの作品だ。その『Secret Garden』と『Enchanted Forest(エンチャンテッド・フォレスト)』の2冊を合わせた発行部数は、米国だけで約270万部にも上る。さらに世界的には、50カ国で出版され、累計発行部数は1350万部以上になっている。
日本でも出版されているが、海外と比べていまいち盛り上がりに欠けるのは、正直なところ本家の良さが伝わっていないからだと感じる。
日本の状況はさておき、世界ではいま「大人のぬり絵」の人気がすさまじいことになっている。2013年以降、同カテゴリーの本は世界で2000タイトル以上が出版されており、これからさらに盛り上がる気配すらある。さらに、出版業界の救世主になるのではとの期待すらあるのだ。
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