巨人は開幕ダッシュに成功したが、新人監督の手腕は「賛否両論」:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
プロ野球開幕から間もなく3週間が経過しようとしている。セ・リーグは巨人が好スタートを切ったが、新指揮官の高橋由伸監督はどのように評価されているのだろうか。
由伸評は賛否両論
さて、その「指揮官・由伸評」について取材現場で各方面から声を拾い上げてみると、今のところは賛否両論に分かれている。「賛」のほうから始めよう。まず高く評価されている部分は、起用される選手側の気持ちを非常に理解している点。それがよく現れているのは、ここまでの起用法だ。特に打順に関しては6番と先発投手の入る9番以外は開幕から不動のオーダーを貫き続けており、そこは徹底している。
開幕当初こそ昨季の打撃不振がまるで蜃気楼のように打線全体がうまく機能して各々のバットから快音が鳴り響いていたが、その後は徐々にトーンダウン。10日の中日戦(ナゴヤドーム)でようやく25イニングぶりの適時打が飛び出す直前までは3番・坂本勇人を除くスタメン野手陣の誰もが3割を切り、明らかに打棒が湿っていた。
こうなった場合、監督の立場としては少しでも流れを変えようと打線にメスを入れたくなるところ。ところが高橋監督は動かなかった。打てないからと言って、すぐに打順を入れ替えるのではなくジッと我慢して打線に火がつくときを待った。昨季まで現役としてグラウンドに立っていた高橋監督は、打順を固定しないことが選手の士気に実は大きく影響することを痛感していたからだ。
前任の原辰徳氏はチームを率いていた昨季まで打線が不振に陥ると一部の打順を入れ替えることが多かった。このやり方は必ずしも批判されるべきものではないが、うまく機能しなかった場合のリスクはやはり小さくない。ひとつ間違えると打順を入れ替えられた選手がふて腐れ、不協和音を生み出す可能性もゼロではないからである。
それでも通算12シーズンも指揮を執った海千山千の名将・原前監督のように心を鬼にして頑なになれればいいかもしれないが、新人指揮官にとってそれはどうしても難しい。そういう総合的な判断のもと、高橋監督は原前監督の“アンチテーゼ”として打順固定を実践しているようだ。
関連記事
- 何が起きていたのか? 清原和博容疑者が古巣・巨人を「震撼」させていた
元プロ野球選手・清原和博容疑者が覚醒剤所持容疑で逮捕されたが、その衝撃はいまだ沈静化していない。新たな疑惑がたくさん浮上してきているからだ。その中の1つ……。 - “ハンカチ王子”斎藤佑樹の人気はなぜ凋落したのか
かつて“ハンカチ王子”として脚光を浴びた日本ハム・斎藤佑樹投手の人気が凋落している。成績がパッとしないから仕方がない部分もあるが、なぜKYな言動を繰り返すのか。その裏にあるのは……。 - 「イジメ」「逆風」に屈しなかったイチローのスゴさ
大リーグのイチローが金字塔を打ち立てようとしている。メジャー通算3000本安打まで残り65本、日米通算でいえば、最多安打を誇るピート・ローズ氏の4256安打にあと43本。「やっぱりスゴいなあ」と思われたかもしれないが、そのイチローも海を渡った直後は苦労を味わっていた。それは……。 - 新天地でも“転校生”ではない、イチローのハイレベルな「EQ」
メジャー15年目のシーズンを迎えたイチロー選手は、今季から新チームに合流。新天地なので苦労するのでは? と思いきや、チームメートと楽しそうに会話をしている。“転校生”のような立場なのに、なぜすぐにチームに溶け込むことができたのか。 - テレビや新聞には、なぜ「文春砲」のようなスクープがないのか
年明けから「文春砲」の勢いが止まらない。ベッキーとゲス川谷氏の「不倫」報道を皮切りに、甘利明大臣の「口利き疑惑」、宮崎謙介議員の「不倫」などが続いているが、筆者の窪田氏はある弊害を懸念している。それは……。 - 賭博問題からどう這い上がるのか 地に堕ちた読売巨人軍
2015年10月に発覚した巨人所属選手による野球賭博問題。3選手が野球賭博に関与していたとしてNPBから無期失格の処分が下され、巨人からも契約を解除されていた。今回、新たにもう1人の選手が問題にかかわっていたことが明らかになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.