周囲の人間はどう見ているのか イチローと本田圭佑のスゴさ:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
日本を代表するプロスポーツ界のレジェンド2人が今、厳しい立場にいながらもベストを尽くそうと心血を注いでいる。イチローと本田圭佑選手だ。両選手を取り巻く現状とチームメートたちの声などを取材したところ……。
たとえレギュラーでなくても
イチローはここまで(19日〈同20日〉現在)で12試合中8試合に出場し、11打数5安打、打率4割5分5厘の好成績を残している。それでもチーム内で外野手の4番手とされ、試合中はベンチウォーマーになりながら出番が来るまでジッと戦況を見つめ続けなければいけない。その間はいつお呼びがかかってもいいようにしっかりと集中力を研ぎ澄ませ、来るべき代打起用に備えて準備しておく。代打で起用される場合、打席に立つ機会は当然先発よりも少ない。そういう流れの中で結果を出さなければいけないのだから、言うまでもなく相当な神経と力を要する。それでもイチローはこうやってヒットを放ち、着実に結果を出しているのだからまさに脱帽だ。
今季からチームの新指揮官となったドン・マッティングリー監督は、そのイチローについて「ベスト・オブ・ザ・ベスト(ベストの中のベスト)」と評し、こう続けた。
「イチローは4番手であることを受け入れてくれている。あれほどの実績を持つレジェンドならば、何か要求や注文を付けたとしてもおかしくはないだろう。実際に過去、首脳陣に対して『もっと自分を使え』と直談判した選手を私は何人も見てきた。ところが彼は一切、そういうことをしない。ただ黙々と仕事をこなし、何の不平不満も口にせず常に真摯(しんし)な態度を貫く。与えられたところで最高の結果を出すために、最高の準備と努力を怠らない。メジャーリーガーの鏡と言えるような素晴らしい選手だ」
決してリップサービスではあるまい。なぜならば、外野レギュラーの一角を担う中堅のオズナも「すべてにおいてイチローは手本だよ。我々の『センセイ』なんだ」。そしてイエリッチが「ボクは子どものころからイチローをテレビで見て、ずっとマネばかりしていた。自分のアイドルと一緒にプレーできて、その上いろいろと教えてもらえるなんて最高の環境だ。彼のすべてを吸収したいと心から思っている」とややエキサイト気味に本音を口にすれば、スタントンも「ボクにとってイチローは『レジェンド(伝説の偉人)』と言うよりも『ゴッド(神)』だね。試合での動き、練習の仕方、さらに食事の仕方まで……。彼の行動はすべてにおいて超人的だ。42歳なんて絶対ウソだよ。あの動きと気構えはボクらと変らない20代のはずだ」と絶賛した。
たとえレギュラーでなくても今もイチローはチームの中で十分過ぎる存在感を放っている。外野レギュラー陣3人からはもちろん他のチームメート、そしてマッティングリー監督らスタッフからも特別な選手として全幅の信頼と尊敬の念を集めている。円熟味を増した今も、メジャーリーグの第一線で活躍するイチローは今後も引き続き我々を驚かせてくれるはずだ。
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