コラム
マーケティングなんてカンタンだ! 間違いがちなフレームワークを総点検:SWOT分析(3/4 ページ)
本稿では、非常にポピュラーな割には誤用が散見され、ともすると「ミスリード製造器」ともなりがちなSWOT分析を取り上げる。
- 3.プラス、マイナスの両面を見る!
物事には裏と表があり、プラスとマイナスがある。両面をしっかり見ることが大切だ。片面だけでは意思決定の重大な要素を見落とすことになる。
前項の「販売店がたくさんある」は「販売店が多数あるから、顧客の購買機会を逃さない」という解釈をしたが、マイナス面はないだろうか。多数の販売店を抱えているということは、「高コスト体質で利益を出しにくい」という弱みを抱えていることにもなっているはずだ。
- 4.分析結果=戦略の方向性を「誰でも分かる」ように文章化する!
SWOT(TOWS)分析に限らないが、フレームワーク分析では、基本的にその分析結果として読み手、もしくは報告相手自身に記述したフレームを示して自ら読み取らせるということはあり得ない。
添付資料や参考としての図表として示すことはあり得るが、その場合でも、分析結果は「誰が読んでも正しく意味を理解できる文章で示す」ことが重要だ。フレームだけだと、その報告書なり企画書なりが一人歩きしたときに正しく読み取ってもらえるという保障はどこにもない。
【金森オリジナルSWOTフレーム】(図2)
上記の通常のSWOTにありがちな誤用を防ぎ、しっかりと「解釈」をして明確なメッセージを出せるようにするため、筆者はオリジナルのフレームを開発した。前出の「当社には販売店が多数ある」を例に、どのように「事実」からプラス・マイナス両面の「解釈」を展開すべきかも記述したので参照されたい。
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