野球評論家の張本勲氏は、なぜ失言を繰り返すのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(5/5 ページ)
人気情報番組『サンデーモーニング』に出演している野球評論家・張本勲氏のコメントが、ネット上でしばしば“炎上”する。現役時代の張本氏は偉大な選手だったのに、なぜ失言を繰り返すのか。スポーツライターの臼北氏が分析したところ……。
手痛いしっぺ返しを食らうはず
次に、張本氏を良く知る球界OBの言葉を紹介しよう。
「自分ほど努力と苦労を積み重ねてきた人間はいない。ハリさん(張本氏)にはそういう自負が間違いなくある。だから、戦争を知らず、モノにあふれ、便利にもなった現世に生きる人たちに対して、つい偉そうにして“上から目線”になってしまうのだろう。
でも、もう少し謙虚になってもいいんじゃないかな。自分が絶対なんて考えは古臭い。現代にだって昔にはない、良さがたくさんある。そういう現代で懸命にがんばって生きている人たちにもっと尊敬の念を持って、認めてあげなきゃいけないでしょう。
それに加えて番組に起用しているTBSや、その周囲の番組関係者もそういうハリさんをただ喜んで起用するばかりじゃなく『世間からの反応は厳しいんですよ』『少し自重したほうがいいですよ』と指摘しなければいけないはずだ。
ハリさんはあれだけのご年配でおそらくネットの反応も自分でチェックしていないだろうから、自分がどういう風に世間から見られているか十分に把握できていない可能性もある。もしかして自分は常に支持され続けているんだと、まだ勘違いし続けているかもしれない」
最後にもう1度繰り返すが、張本氏は間違いなく日本球界のレジェンドだ。自分の生き方と積み重ねてきた努力に絶対の自信を持っていることも良く分かった。だからこそ、その栄光をもうこれ以上汚さないでほしい。
そしてこの超大物OBが失言を繰り返すたびに、他の球界関係者や選手たちが実は辛い思いをしていることも制作サイドのTBS側は今後肝に銘じておくべきだろう。何でも注目されればいいというコンセプトで番組作りをしているようでは、絶対に何らかの形で手痛いしっぺ返しを食らうはずである。
関連記事
- 何が起きていたのか? 清原和博容疑者が古巣・巨人を「震撼」させていた
元プロ野球選手・清原和博容疑者が覚醒剤所持容疑で逮捕されたが、その衝撃はいまだ沈静化していない。新たな疑惑がたくさん浮上してきているからだ。その中の1つ……。 - 日本ハムが“ハンカチ王子”を「クビ」にしない理由
“ハンカチ王子”として一躍有名になった日本ハムの斎藤佑樹投手も今季でプロ6年目。もういい加減、一軍で活躍しないと「解雇」の二文字もチラついてきそうだが、球団はどのように考えているのだろうか。 - 重くなったのに、なぜ軽く感じるのか 売り子が背負うビールサーバー
野球場などでキャストと呼ばれている“売り子”が生ビールを販売している。彼女たちが背負っているサーバーは重いので、アサヒビールとデサントは共同で新しいモノを開発。さざかし「軽く」なったんだろうと思っていたら、実は「重く」なっていた。えっ、どうして……? - 133年目の奇跡を成し遂げたレスター・岡崎慎司のスゴさ
サッカーの英プレミアリーグで日本代表・FW岡崎慎司の所属するレスター・シティFCがクラブ創設133年目にして初優勝を遂げた。欧州のプロサッカーリーグで活躍する日本人選手は数多くいるが、岡崎は周囲からどのように評価されているのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.