何もできない松坂大輔を、孫正義オーナーが見捨てない理由:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
松坂大輔が2軍で大炎上した。福岡ソフトバンクホークスと巨額契約を結んだにもかかわらず、何ひとつ結果を残せていない。とっくの昔に我慢の限界は超えているはずなのに、なぜ球団は松坂を見捨てないのか。その理由は……。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
ああ、やっぱりな。おそらく大半の人が、そう思ったに違いない。福岡ソフトバンクホークス・松坂大輔投手のことである。14日にマツダスタジアムで行われたウエスタン・リーグの広島カープ戦で先発登板マウンドに立ったものの大乱調。わずか1回2/3しか持たず、7被安打、3四球、9失点と目を覆いたくなるような数字でベンチに下がった。
これで早ければ来月中と見込まれていた一軍合流は白紙に差し戻され、一転して再び見通しが立たない状況となった。しかも松坂はこの試合中に右手指先の抑えが利かないことを訴えており、16日には精密検査を受けたが、近々明らかになる結果次第ではまたしても長期のリハビリ生活を強いられる可能性もある。
しかし、もう正直に言って別に驚くこともない。このニュースに関するネットユーザーたちからの反応にも辛らつな声だけではなく「最初から予想していたこと」「もう、いい加減にしてほしい」などと半ば呆れ果てているかのようなコメントが数多く散見した。
それはそうだろう。「平成の怪物」の異名を持つ右腕はボストン・レッドソックス、ニューヨーク・メッツなどメジャーリーグで8年間プレーした後、2014年12月にソフトバンクと契約。9年ぶりの日本球界復帰でファンを大きく期待させたが、その華々しい姿を見せなければならないはずだった昨シーズンは一度も一軍のマウンドに立つことができなかった。
この復帰1年目はオープン戦で結果を残せなかったばかりか開幕後も二軍のマウンドで乱調の連続となり、ついには右肩の異常まで発覚。昨年8月に内視鏡による「右肩関節唇及び腱板クリーニング術」「ベネット骨棘切除術」「後方関節包解離術」を受け、リハビリ期間に約6か月もの時間を要した。
チームから離れて日本よりも環境が整っていることを理由に家族の住む米国本土、さらにはハワイで“VIP待遇”のリハビリまで行った。そういう過程を経て満を持しての復帰イヤーとなるはずだった2016年。今年に入ってから、すぐに自主トレを公開した松坂は満面の笑みを浮かべながら「ボールを投げることに対して不安、痛みがない感覚は米国に行った年(2007年)以来ですかね。自信もそうですし、医学的には100%(投げられる)。安心してキャンプに臨めます」と自信満々に言い切っていた。
関連記事
- 何が起きていたのか? 清原和博容疑者が古巣・巨人を「震撼」させていた
元プロ野球選手・清原和博容疑者が覚醒剤所持容疑で逮捕されたが、その衝撃はいまだ沈静化していない。新たな疑惑がたくさん浮上してきているからだ。その中の1つ……。 - 野球評論家の張本勲氏は、なぜ失言を繰り返すのか
人気情報番組『サンデーモーニング』に出演している野球評論家・張本勲氏のコメントが、ネット上でしばしば“炎上”する。現役時代の張本氏は偉大な選手だったのに、なぜ失言を繰り返すのか。スポーツライターの臼北氏が分析したところ……。 - 日本ハムが“ハンカチ王子”を「クビ」にしない理由
“ハンカチ王子”として一躍有名になった日本ハムの斎藤佑樹投手も今季でプロ6年目。もういい加減、一軍で活躍しないと「解雇」の二文字もチラついてきそうだが、球団はどのように考えているのだろうか。 - 重くなったのに、なぜ軽く感じるのか 売り子が背負うビールサーバー
野球場などでキャストと呼ばれている“売り子”が生ビールを販売している。彼女たちが背負っているサーバーは重いので、アサヒビールとデサントは共同で新しいモノを開発。さざかし「軽く」なったんだろうと思っていたら、実は「重く」なっていた。えっ、どうして……? - 松坂は「給料泥棒」の汚名を返上できるのか “日本的補強”に警鐘
福岡ソフトバンクホークスの松坂投手とオリックス・バファローズの中島内野手が崖っぷちに立たされている。昨シーズン、大リーグから帰ってきた2人は期待されながらも、全く結果を残せなかったからだ。それでも高額を手にした両選手に対して、米球界から「?」の声が出ている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.