大谷翔平が成長した背景に何が? 栗山監督の「二刀流育成術」:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
日本ハムの大谷翔平投手が世を席巻している。エース兼主力打者を務める“リアル二刀流”は、当初こそ世間から懐疑的な目を向けられていたが、着実に成果を出しつつある。21歳の若者が急成長している背景には、一体何があったのか。
個々の選手たちの性格を分析する能力
若手選手にこのような“縛り”をかけてしまったら、すぐに音を上げてしまい、かえって逆効果につながるかもしれないとチームを預かる指揮官ならば大抵の人の場合、不安になるはずだ。時には気分転換をはかることで、少しばかり羽を伸ばさせたほうがいいケースだってあるに決まっている。
だが栗山監督は個々の選手たちの性格を分析する能力に人一倍長けている。入団直後から本人と何度も何度も面談を重ね、大谷の持つ「純真無垢」並びに「猪突猛進」の性格も次のようにいち早く見抜き、春季キャンプ中からキッチリと把握していた。
「アイツならば、まず間違いなくギブアップすることだけはしない。厳しくガンガンやったほうが、伸びていくタイプだ。二刀流の猛練習も音を上げることなく嬉々として取り組んでいくだろう」
そう結論付けたからこそ今の時代とはかけ離れた「管理野球」を大谷に対しては施行し、今も徹底させているのである。
栗山監督が大谷のグラウンド上で見せるプレーに関する言葉もそうだ。試合後にコメントする大谷評が「あれぐらいやれて当然」「何も驚かなかった」などとやたらに辛口なのも、本人の性格を把握し切っているからである。
とにかく“ノー文句”の手放しで大谷を絶賛するようなことは、これまでを振り返ってみても皆無に等しい。ここでもし簡単に誉めてしまえば満足してしまうから、逆に厳しい指摘を向けることで怒りの導火線に火をつけて今後のステップアップを導くためのエネルギーにさせる。それが栗山監督の大谷への接し方であり、誰もがなし得なかった“リアル二刀流”をさらに昇華させていく方法論でもある。
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