高いプロパンガス料金に困っている人へのアドバイス:マネーの達人(3/3 ページ)
多くの消費者がプロパンガスの料金について誤解しています。今回ご紹介する方法を使えば、1円のコストもかけることなく、料金は簡単に30〜40%下げることができます。
プロパンガス会社の変更が難しい3つの理由
理由1. 業界では「しがらみ」のために切替を拒否されることがある
プロパンガス会社は同じエリアの中で30年も40年も商売をしているので、保安業務や配送業務をお互いに委託しているとか、問屋なら販売店にプロパンガスを卸しているとか、社長同士がゴルフ仲間であるとか、さまざまな「しがらみ」があります。
そのようなしがらみがあると、ガス会社の変更を受け入れてくれません。プロパンガス会社であればどこでも変更できるわけではないということを、しっかりと頭に入れておいてください。
理由2. そもそも切替をやらないガス会社が多い
プロパンガス業界には、「他社の顧客を取らない」という悪慣習が根強く残っていて、保守的なガス会社はそれをかたくなに守っています。そういう会社に相談しても「当社はそういうことはできません」と言われてしまいます。
どこがそういう会社なのかはWebサイトや会社案内には明記されていないので、切替を受け入れてくれる会社を探すことからスタートしなければなりませんが、事情は各都道府県によってまったく異なることもあり、ハードルは非常に高いです。
理由3. 変更後に不透明な値上げをされる例が頻発している
せっかく各種のハードルを越えてガス会社を切り替えたとしても、その会社の料金がいつ不透明な値上げをされるか分かりません。
誤解1でも説明したように、ガス会社の都合でいくらでも値上げすることができるので、当協会のように「ガス料金見守り保証」でもない限り、一旦は安くなったからといって安心していることはできません。プロパンガス会社が勝手な値上げをしないことを、どのように約束してくれるのかよく確認することが重要です。
プロパンガス会社の変更はツボを押さえれば簡単ですが、自己流でやるとトラブルまみれになる可能性が高いです。これらのアドバイスをよく理解された上で取り組まれることをおすすめします。(鈴木秀男)
著者プロフィール:
鈴木秀男
一般社団法人 プロパンガス料金消費者協会 代表理事
1980年東芝パソコンシステム入社。勤務の傍ら1990年より、世界最大の人材教育機関「デール・カーネギー・コース」ニューヨーク本部公認トレーナーとして、セールスパーソンのトレーニングに従事。20年間で約3000人を指導。
2011年、一般社団法人 プロパンガス料金消費者協会 代表理事に就任。高いプロパンガス料金に困っている消費者にアドバイスをする一方、希望者に適正価格の優良ガス会社を紹介している。現在12名のスタッフと、年間約8000人の消費者からの料金相談に無料で対応している。
関連記事
- 電力自由化で東ガスが圧勝する? その理由とは
電力小売自由化の激戦区、首都圏。東京ガスは巧妙につくられた料金体系で「おいしい部分」を持っていく戦略で東京電力への攻勢をかけている。東電も新料金プランを打ち出してはいるが……。 - “場外”で激化する関電VS. 大ガス 「奇手」を繰り出しはじめた関電の狙いとは
4月の電力小売自由化で、首都圏の東京ガスとほぼ同じペースで、関西でも大阪ガスが契約数を伸ばしている。関西電力は高浜原発2基を一度は再稼働させながらも挫折し、値下げを断念して新電力との競争で大きなハンデを負っている。だが、4月になって東京ガスと提携したり、首都圏で発電所建設を加速したりと、“奇手”とも思えるような発表が相次いでいる。 - 「口座引落しVSクレジットカード」――公共料金の支払でオトクなのは?
お金を貯めるには、小さい出費を抑えることも大切です。まずは、身近な公共料金の支払い方法の見直しから。今回は、電気やガス、水道などの公共料金の口座引き落としとクレジットカード払いを比較します。
関連リンク
copyright (c) "money no tatsujin" All rights reserved.