広告代理店大手のアサツー・ディ・ケイ(ADK)は7月14日、アニメ制作のゴンゾを株式公開買い付け(TOB)で買収し、連結子会社化すると発表した。ADKは「ドラえもん」や「仮面ライダー」シリーズなどアニメ・特撮に強く、ゴンゾの制作力と組み合わせることで成長が期待できるとしている。
ゴンゾ株式の約80%を保有する投資ファンド・いわかぜキャピタルが全株式を応募する予定で、TOBは成立する見通し。買い付け予定額は約62億円。
ゴンゾはDVD市場の低迷から2期連続で債務超過に転落する経営不振に陥り、2009年に上場廃止(東証マザーズ)となり、いわかぜキャピタルの傘下で経営再建。16年3月期は売上高14億5800万円(前期比14.4%増)に対し最終利益4億9100万円(前期比22.0%増)を計上するなど業績回復を果たし、いわかぜキャピタルは「再生に一定のめどが立った」としてADKに売却を打診していたという。
ADKは、同社が持つ国内外の配信業者や出版社とのネットワーク、テレビアニメや実写特撮などの経営資源を有効活用することで、ゴンゾの収益力強化と成長が期待できるとみている。またADKの新作アニメの内製化やリメイクなどにもゴンゾが活用できるとしている。
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