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なぜコンビニは、「ミスドの客」をたくさん奪うことができないのかコンビニ探偵! 調査報告書(1/4 ページ)

コンビニドーナツ全体の雲行きが怪しくなってきた。発売時には「専門店のミスタードーナツを食ってやる!」という勢いだったが、今はそれが感じられない。今回は、ミスドの視点からコンビニドーナツについて考察してみよう。

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コンビニ探偵! 調査報告書:

 「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。

 ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?


 2016年1月、セブン-イレブンがドーナツのリニューアルを発表した。ところが、最近はどうもコンビニドーナツ全体の雲行きが怪しくなってきたようだ。

 発売時はコンビニ各社がこぞって専用の什器(じゅうき)まで用意し大々的に売り出し、あわよくば「専門店のミスタードーナツを食ってやる!」という勢いだったが、今はそれが感じられない。あくまでもコンビニにとってのドーナツはカウンターフーズの1カテゴリーにすぎず、年中売り込んでいられないということだろうか。

 そこで今回は、ミスタードーナツ側(運営:ダスキン)の視点からコンビニドーナツについて考察してみよう。

ダスキンは奪われた市場を盛り返せるのか

 ダスキンの直近のデータを確認してみよう。以下の表をご覧いただきたい。2016年3月期のミスタードーナツ(国内)の売り上げは、前期比で10.3%の減少となっている。


(出典:ダスキン)

 次に、時系列で確認してみよう。ただし、決算短信資料にミスド単体の詳細データはなかったので、ダスキンのフードグループの数値を参照する。フードグループと言っても、95%はミスドの数値なので大きなズレはないだろう。


決算短信比較(上)と、フードグループ内におけるミスドの割合(下)(出典:ダスキン)
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