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知っていますか? ブームを支えた「ポケモンカード」来週会社で使える雑学(1/2 ページ)

「ポケットモンスター」というIPは、「ポケモンGO」のみならず、多くの分野でさまざまな人の「初めて」となっています。その中でも代表的なものは「カードゲーム」。来週会社で使える(かもしれない)「ポケモンカード」の歴史についてお話します。

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 「ポケモンGO」が大ヒットしています。位置情報を使ったゲームは「Ingress」をはじめとしてこれまでもさまざまに存在していましたが、多くの人にとって“初めての位置情報ゲーム”であることでしょう。

 「ポケットモンスター」(以下、ポケモン)というIPは、他の分野に関しても多くの人の「初めて」となっています。その中でも代表的なものは「カードゲーム」です。


ポケモンブームを支えた「ポケモンカード」

世界を広げたポケモンカード

 ポケモンはゲームボーイ用のゲームとして生まれた作品ですが、かなり早い段階でメディアミックス展開を盛んに行っていました。アニメや漫画、グッズ展開……その一環で生まれたのが「ポケットモンスターカードゲーム(以下、ポケモンカード)」。ゲーム発売後から約半年、1996年10月20日でした。

 このポケモンカードは、全てカラーで、ポケモンやトレーナー(ポケモンとともに旅をする人間キャラクター)が印刷されています。カードにはポケモンが1匹ずつ描かれていて、名前や特殊能力、技や弱点などが詳しく表示されています。

 ラインアップは、「スターターパック」と呼ばれる60枚セットと、「拡張パック」という10枚入りのパック。その中にカードがランダムに封入されていて、めったに手に入らない「レアカード」や光る特殊印刷が施してある「キラカード」があります。

 このカードは、単純に「好きなポケモン」や「かっこいいポケモン」などを集めてもよし。こういった楽しみは昭和に流行した「プロ野球カード」と似ています。ポケモンカードが新しかったのは、集める楽しさだけではなく、戦う楽しさがあったこと。詳細なバトルのルールが決められていて、カードを使った対戦ゲームを楽しめるもよし……となっています。

 こうしたゲームのバトル要素は、米国で誕生して欧米やアジアでも人気を博したTCG(トレーディングカードゲーム)「マジック・ザ・ギャザリング」のゲーム性を踏まえています。


さまざまなところで行われていたポケモンカードバトル(画像はイメージです)

 ポケモンカードはゲームの世界を広げるのにも一役買っていました。初代のソフト「ポケモン」は、ゲームボーイのソフト。まだゲームボーイカラーは出ていなかったので白黒です(カラー対応ソフトの「ポケットモンスター金/銀」の発売は1999年)。しかもドット絵なので、1匹1匹のモンスターの絵はきれいではありません。

 しかし、ポケモンカードはフルカラー! アニメの放送は97年4月なので、アニメよりも先にポケモンの世界をカラーで楽しめるのは、ポケモンカードでした。

 98年に発売されたポケモンビジネス研究会『ポケモンの秘密』(小学館文庫)には、当時行われたアンケートで「ゲームボーイで遊んだ子どもは、ほとんど例外なくカードもやっている」という結果が掲載されています。ポケモンカードが発売されたおかげで、ポケモンファンが拡大し、ポケモンが身近な存在になっていたのです。

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