上司から「OK」をもらう人、「NO」を突きつけられる人――どのような違いがあるのか:結果を出す“下ごしらえ”(2/5 ページ)
上司から命じられた仕事をきちんとやったつもりなのに、「やり直し!」と言われた経験がある人も多いのでは。一方で、同じような仕事をしながら「一発OK!」をもらう人もいる。「OK」をもらう人と「NO」を突きつけられる人……どのような違いがあるのだろうか。
「アウトプットイメージ」の共有が大切
では、やり直し、差し戻しの仕事にしないためには、何が必要だったのか。これが、「アウトプットイメージ」の共有なのである。仕事の発注者が、どんなアウトプットイメージを描いているのか、しっかり確認しておかなければいけないのだ。
自分の頭の中にアウトプットのイメージができたとしても、それが発注者が持っているイメージと一致するとは限らない、ということを強く認識しておく必要があるのである。では、アウトプットイメージを一致させるために有効な方法とは何か。ひとつは、「ビジュアル」にすることだ。
大手企業の経営企画部門で仕事をするある社員が、取材でこんな話をしていた。彼は仕事柄、書類を作ることがとても多いのだが、発注者から仕事を委ねられたとき、アウトプットイメージを必ずビジュアルで確認していたのである。
それこそ、先に書いた「棒グラフか、折れ線グラフか」も、口頭で「グラフ」と言ってしまうとお互いの頭の中は別々のグラフになってしまいかねないが、手書きでもかまわないのでビジュアルにしてみれば、一目瞭然になる。
打ち合わせのときに、ささっとメモ用紙にラフスケッチを描いて、「こんな感じでいいですか?」と確認すれば、イメージの共有ができたはずなのだ。
だから、この社員は常にビジュアルでアウトプットイメージを確認していた。スライドを作るときも、人にはそれぞれ好みがある。文字の大きさ、デザインの雰囲気なども、なんとなくイメージで持っているものだ。
それも、ラフスケッチの形で確認する。資料をアウトプットにするのであれば、ラフデザインを紙に書いてみる。図やグラフ、表などを下記ながらやりとりしていく中で、文字の大きさや書体なども確認する。「ざっとこんな感じですよね」とレイアウトイメージを指し示せば、「いや違うんだよ、こんな感じで」という具体的な指示も受けられる。
ちょっと手間を加えるだけで、アウトプットイメージの共有レベルは大きく高まるのである。実はそもそも、イメージの共有は簡単ではない。ビジュアルを使うことで「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができるわけだ。
こうしたイメージ共有のために、この社員は大き目のノートで、しかも無地のものをメモ用紙として使っていた。仕事を受ける場合には、ただ話を聞くだけでなく、ビジュアルで確認するためである。
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