女子マラソンで惨敗した福士加代子の発言は、本当に「KY」なのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
リオ五輪が盛り上がっている。特に女子マラソンの視聴率は22.6%(関東地区)を記録するなど、多くの人が注目した。にもかかわらず、日本の3選手は惨敗。中でも、14位に終わった福士加代子の発言が、物議を醸している。
福士加代子は誤解を受けやすい選手
ここに至るまで福士選手が努力を積み重ね、口先だけではなく本当に金メダルを狙っていたことは間違いない。ただし、あのレース終了直後の発言に関しては“失言”とみなされ、批判を受けても仕方がなかったのかもしれない。福士加代子という人物は非常に誤解を受けやすい選手だからだ。
五輪では過去3大会(アテネ、北京、ロンドン)で長距離走(アテネ=10000mのみ、北京・ロンドン=5000mと10000m)の代表選手に選ばれ、3000m、10000mの日本記録、そしてハーフマラソンのアジア記録保持者でもある。5度目のフルマラソン挑戦となる2013年8月の世界陸上モスクワ大会では銅メダルにも輝いた実績の持ち主。青森県出身の「みちのくの爆走娘」はトラックレースで、そしてマラソンでもしっかりと結果を残してきた。
その上で福士はこれまでも陸上界において「キャラが濃い」ことでも知られていた。津軽弁丸出しでインタビューに応じたり、珍発言を繰り返したりするなど非凡な実力に加えて、リップサービスも非常に旺盛で異色の存在として脚光を浴びていたのである。
一方で内面は恐ろしいまでに自分を追い込む超ストイックな人物であることも忘れてはいけない。トラックレースで過去3度の五輪出場を果たしたものの悲願のメダルには届かず10000mでは入賞も逃し、北京とロンドンで出場した5000mはいずれも予選落ち。その悔しさがあったからこそ、マラソンでリベンジを図ろうとした。
マラソン挑戦当初はレース終盤で“ガス欠”を起こして失速するケースが多かったことから、栄養士の助言で食事摂取量を3倍に増やし、白米も毎食食べて糖質をエネルギー源にする食事改善も敢行。陰の努力を積み上げた末に3年前の世界陸上モスクワ大会で銅メダルを取ったことでマラソン競技に手ごたえを感じ、さらに精進して今度こそ五輪の表彰台で1番上に立つと自分に言い聞かせた。
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