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700万円を遊興費に使った市議が、メディアに「老後の不安」を漏らした理由スピン経済の歩き方(5/5 ページ)

富山市の議員が白紙の領収書を使って政務活動費を着服していた問題で、これはスゴいなあと思う報道があった。不正を行った人が赤裸々に語っているので、多くの人は「いいインタビューだ」と思われたかもしれないが、筆者の窪田氏は違う視点で見ている。それは……。

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議員年金が復活する日

 なぜこうなってしまったのか。それは「理想の社会主義国家」をモデルにしたからだ。

 1991年3月、ソ連ロシア共和国は人民代議員大会で「五百日計画」に代わる新経済計画が提出された。その中では、『戦後の急速な経済復興と国民の均等化した生活水準を理由に、日本経済を「真の社会主義」と規定、ロシアはソ連型共産主義を放棄し、この「新しい経済モデル」を選ぶ』(東京読売新聞 1991年3月5日)と宣言されている。

 旧ソ連の人々が憧れた日本では、今も「もっと待遇をよくしないと優秀な人材が政治に集まらない」とノーメンクラツーラ(旧ソ連の特権エリート)顔負けの主張をする方が多い。

 中川さんの「老後の不安」アピールも、『朝日新聞』のおかげでうまく転がった。この流れが注目されれば、NHKあたりが、「貧困議員」なんてキャッチーなタイトルとともに、「日本の議員は先進国と比較して相対的貧困率が悪化している」とか言い出す可能性もある。

 議員年金が復活する日も近いかもしれない。


議員年金が復活する日も近いかも

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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