「VR」は盛り上がっているようだけれども 各社の動きと利用者の声:甲斐寿憲のキニナルモバイル(2/4 ページ)
最近、「VR」のニュースに触れる機会が増えてきた。多くの会社がこの市場に参入しているが、現時点では「これから」といった感じ。また、実際に利用した人に話を聞いたところ……。
音楽コンテンツで仕掛けるエイベックス
一方、ゲーム業界ではない企業もこの市場に参入している。エイベックス・デジタルだ。専用アプリ「dTV VR」を無料ダウンロードすれば、人気アーティストのVR動画コンテンツを楽しむことができる。専用コンテンツにはエイベックス所属の「AAA」「超特急」「SOLIDEMO」「Acid Black Cherry」など10〜20代を中心に人気のアーティストが並ぶので、ファンにとってはたまらないコンテンツになるかもしれない。
また、使用機器はスマートフォンとCardbordなので手軽さがウリだ。iPhoneとAndroidの両方に対応していて、Cardboardの専用ゴーグルは1000〜3000円ほどで購入することができる。さらに、紙製のCardboardもあり、雑誌やBlu-rayソフトの付録で手に入れることもできる。
さらに、キャンペーンも展開している。2016年8月27〜28日に野外イベント「a-nation」で、来場者全員にdTVオリジナルのCardboardを配布し、体験ブースを設置した。体験ブースでは多くの若者が、アーティストのコンテンツを体験していた。
エイベックスの発表によると、特設ブースで1万人以上が体験したという。これは過去最大規模の体験会だそうだ。実際に現場で感想を聞いたところ「自分の好きなアーティストが立体で見られて嬉しい」「手軽に楽しめて面白い」といった意見が目立った。ただ気になったのは「お金を出すまでは……」といった意見も多かったことだ。有料化できるコンテンツの充実が今後の課題と言ったところだろうか。
とはいえ、dTV VRアプリのダウンロード数は8月末時点で累計10万ダウンロードを超えている。これは日本で最も利用されているVRアプリなので、今後の動向から目が離せない。
エイベックス・デジタル 常務取締役の村本理恵子氏は「同社の強みは、人気アーティストのコンテンツを配信できること。今後は音楽アーティストだけでなくアニメコンテンツなども検討して配信していきたい」と手応えと今後の方向性を語っている。
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