「Galaxy Note7」だけではない! リチウムイオン電池の危険性:甲斐寿憲のキニナルモバイル(2/4 ページ)
サムスンの新型スマートフォン「Galaxy Note7」の発火事故を受け、大騒ぎになっている。本体の発熱による発火が相次いだわけだが、どこに問題があったのか。危険なのは、Galaxy Note 7だけなのか。
サムスンだけではないバッテリーの危険性
実は日本メーカーでもその後、同じような発火問題が報告されている。10月14日に消費者庁が公表した「消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について」によると、UPQ(アップ・キュー)のAndroidスマートフォン「UPQ Phone A01X」が9月22日、沖縄県で火災があったと報告された。同社では現在原因を調査中とのことだが、バッテリー起因の発火事故は何もサムスン製品だけの問題ではないということだ。
実際に4月28日にNITE(製品評価技術基盤機構)が公表した資料によると、平成22年度から平成26年度までの5年間にスマートフォン、タブレット端末、それらの周辺機器の事故は合計239件もある。そのうち「充電用コネクター周辺」の事故が最も多く67件、次いで「電池パック」が47件、「本体」35件、「モバイルバッテリー」33件と続く。スマートフォン関連の事故は、発熱・発煙・発火のいずれかを伴うものが多く、火災などの重大な事故が発生しているため、注意が必要と警告している。
そもそも、スマートフォンに採用されている「リチウムイオンバッテリー」とはどのようなモノなのか。リチウムイオンバッテリーとは、正極と負極との間でリチウムイオンが移動することで、充電や放電を繰り返し行える電池のことだ。1980年代に金属リチウムバッテリーが製品化されたが、化学反応を起こしやすいことから事故が多発し、普及には至らなかった。
その後、1990年代に入ると負極の素材にグラファイト、電解質溶媒に炭酸エチレンを使用したモノが実用化され、今日の普及に至っている。リチウムイオンバッテリーの利点は、なんといっても継ぎ足し充電ができること。また蓄電量も電圧も高いので、小型で大容量のモノが製品化しやすいことだ。その一方で、エネルギー密度が高いリチウムイオンバッテリーは、高密度故の熱暴走が最大の欠点と言われている。
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