「同じ便か違う便か」サッカーチームの悲劇:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/3 ページ)
ブラジルのサッカークラブ「シャペコエンセ」の選手らを乗せたチャーター機が墜落した。この大惨事を受けて「チームのメンバー全員が同じ便に乗るべきではない」といった声も出ているが、現実は……。
余りにも辛過ぎる悲劇だった。ブラジル1部サッカークラブ・シャペコエンセの選手らを乗せたチャーター機が11月28日、ブラジルのサンパウロからコロンビアのメデジンへ「コパ・スダメリカーナ2016」の決勝戦に出場するため向かっていた途中、同国のアンティオキア県で墜落。シャペコエンセの選手と報道関係者、乗員ら71人が死亡し、6人が救助された。
犠牲者71人の中にはJリーグ経験者のカイオ・ジュニオール監督(2009年にヴィッセル神戸監督)、ケンペス(2012年にセレッソ大阪、2013〜14年までジェフユナイテッド市原・千葉でプレー、2013年にJ2得点王)、チエゴ(2010年に京都サンガFCでプレー)、クレーベル・サンターナ(2005年に柏レイソルでプレー)、アルトゥール・マイア(2015年に川崎フロンターレでプレー)も含まれていた。
各メディアの報道によれば、大雨が降り注いで視界もかなり悪い状況の中、同機のパイロットは墜落直前に「完全に電気系統が切れた。燃料がない」「燃料が緊急事態だ」などと管制塔との交信で緊急着陸の許可を求めたものの、9000フィートまで落ちたと報告した後に通信が途絶えたことが明らかになっている。現場からはブラックボックスが回収されており、航空当局も事故原因を調べていることから、いずれ墜落の真相は明らかにされるであろう。
ただ、このシャペコエンセの悲劇はスポーツ界全体に大きなショックを与えた。ACミランの日本代表FW本田圭佑は1日に自身のインスタグラムで「無念すぎる。他人事に思えないです。残された家族のことを思うと、自分の家族だったらと想像してしまいます。なんていうか命って本当に儚(はかな)いなって。亡くなられた選手達、残されたご家族の皆様にはお悔やみ申し上げます」と日本語と英語で思いをつづった。
確かに「他人事」ではない。もし自分たちのチームのメンバー全員が同じチーム便に同乗し、不幸にも事故に遭遇してしまったら……。そんな万が一のことを想像したくなくても実際にシャペコエンセの悲劇をこうして目の当たりにしたプロスポーツチームに携わる関係者ならば、どうしても不安感を抱いてしまうであろう。
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