40男こそ「副業」に挑戦するべきだ:常見陽平氏の人生相談所(1/2 ページ)
副業――。いかにも20〜30代半ばくらいの意識高い系の若者がやりそうなイメージがあるかもしれないが、個人的には悩める40男こそ副業に取り組むべきだと考えている。
副業が話題になっている。政府が「最大のチャレンジ」とする「働き方改革」においても「テレワークや副業・兼業など柔軟な働き方」は検討項目に入っている。ロート製薬やIT企業など、副業を認める企業も話題になった。『週刊東洋経済』の2016年10月29日号では副業の大特集が組まれ、大きな反響を呼んだ。
私は前回「40男が抱える憂鬱」について書いた。今回は40代と副業・兼業について考えたい。結論から言うならば、若い人よりも40男の方が副業・兼業に取り組むべきではないかと思うのだ。
私自身、大手企業で会社員をしていた約10年前から副業を続けてきた。途中、会社を辞めてフリーランス活動に入ったが、その際もいくつかの仕事を掛け持ちしていた。そのころは大学院にも通っていた。2015年4月から大学の専任教員として就職したが、現在も執筆、講演、メディア出演、コンサルティング、地域の活性化などの仕事を掛け持ちしている。
一般論として副業のメリットは「副収入を得ることができる」「視野や人脈が広がる」「スキルを磨くことができる」「次のキャリアへの腕試しができる」――などが指摘されている。キャリアを研究するものとして、これらメリットにはもちろん頷(うなず)くのだが、難しいことを言わずにストレートに言うならば「楽しいから」ということに尽きるのではないかと思う。
普段の活動ではできないことにチャレンジできること、それによってストレスを解消できること、自分の力も確認できることなどが楽しい。「外の仕事ばかりやって目立ちやがって」と言われないようにしなければ居場所がなくなるので、当然本業にも身が入る。いや、実際は後ろ向きなものでもなくて、副業に取り組むからこそ、そこで得た活力によって本業にも身が入るものである。外の世界で得た知見を、今の職場でも生かそうという気になってくる。
この副業だが、なぜ40男こそ副業に取り組むべきなのか。その理由は……。
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