国内時計市場が成長 富裕層とインバウンドがけん引:矢野経済研究所発表
矢野経済研究所が国内時計市場調査結果を発表。2015年の時計市場規模は前年比16.9%増の9556億円だった。ウォッチ(腕時計)・クロック(置時計・掛時計・目覚まし時計)ともに前年より成長した。
矢野経済研究所が1月13日に発表した国内時計市場調査結果によると、2015年の時計市場規模は前年比16.9%増の9556億円だった。ウォッチ(腕時計)・クロック(置時計・掛時計・目覚まし時計)ともに前年より成長した。
15年の国内ウォッチ市場規模は、17.7%増の9002億円(小売金額ベース)と拡大した。市場をけん引したのは富裕層とインバウンド(訪日外国人客)の2大市場。百貨店による富裕層の積極的な取り込みやボーナスの増額により、中間所得層を中心に個人消費が勢いづいたこと、インバウンド需要が引き続き好調に推移したことで、ここ数年の市場拡大の勢いが加速し、2014年を大きく上回ったという。
国内クロック市場規模は、5.5%増の554億円だった。各社が実施した値上げが市場に受け入れられたこと、新商品の販売が順調に推移したことなどから、プラス成長になったという。
2020年の国内ウォッチ市場規模は9800億円(15年比で8.9%増)を予測する。「爆買い」などのインバウンド需要は下がるものの、ランニングウォッチなど特定の機能に特化した製品の市場創出を見込む。
また、国内クロック市場規模予測は565億円(同2.0%増)。既に消費者に行きわたっているため単純な拡大は難しいが、高付加価値製品の開発による活性化や、中・高級製品の海外展開などを期待する。
調査は16年10〜12月、時計業界に携わるメーカー・卸、海外企業現地法人、輸出入業者ならびに小売業を対象に、直接面談および郵送アンケートを行った。
関連記事
- ウェアラブル端末、成長鈍化 「スマートウォッチは使い道がはっきりしない」
IDC Japanは第3四半期(2016年7〜9月)のウェアラブル端末とAR・VR機器の世界出荷台数を発表した。 - カシオ、2016年秋冬モデルの新作時計を発表 「MASTER OF G」に「空・海・陸」の新作
カシオが16年秋冬モデルの新作ウォッチを展示する新製品発表会を開催した。 - エプソン、オリエント時計を統合へ
セイコーエプソンが100%子会社のオリエント時計を統合する検討に入った。 - クイズ番組の賞品「スイスの高級腕時計」で知られる「平和堂貿易」が破産
宝飾品や時計などの卸売りを手がけた平和堂貿易が破産。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.