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ヒット映画続出の一方、制作会社の倒産増加 なぜ?:映画館と配給会社は好調だが……
映画・映像業界は好調に推移している一方で、制作会社の倒産が増えている。その理由は?――帝国データバンク調べ。
帝国データバンクによると、2016年の映画・映像関連企業の倒産件数は27件で、前年から12.5%増加したことが分かった。配給会社の倒産は1件もなかった一方、制作会社が9割以上を占めているという。
業界全体の業績は伸びている。15年の関連企業売上高合計は、前年比6.9%増の1兆9010億8700万円に、最終利益は16.5%増の824億7100万円に達した。16年は、邦画「君の名は。」「シン・ゴジラ」、洋画「スター・ウォーズ フォースの覚醒」などがヒットし、国内の映画興行収入は過去最高を更新する見込みだ。
しかし、業績が好調に推移しているのは、映画館と配給会社のみ。制作会社は苦境に立たされており、昨年は「さくらん」(06年)のプロデューサーが代表を務めたフェローピクチャーズや、「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(07年)のプロデューサーが代表を務めたクロニクルなど、ヒット映画に関わった企業も倒産した。
制作会社が低迷する理由について、帝国データバンクは「メディア環境の変化によって、制作会社にとって大きな取引先であるテレビ局からの受注が減少していることや、景気低迷によってクライアントの経費削減が相次いでいることが原因」とみている。
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