パワハラがなければテレビが成立しない理由:スピン経済の歩き方(1/7 ページ)
ダウンタウンの松本人志さんが、「パワハラは必要悪」と発言したことが物議を醸している。この発言に対して、筆者の窪田氏は「『テレビ』の本質をズバッと言い当てている」という。どういう意味かというと……。
スピン経済の歩き方:
日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
「情報操作」というと日本ではネガティブなイメージが強いが、ビジネスにおいて自社の商品やサービスの優位性を顧客や社会に伝えるのは当然だ。裏を返せばヒットしている商品や成功している企業は「スピン」がうまく機能をしている、と言えるのかもしれない。
そこで、本連載では私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」に迫っていきたい。
ダウンタウンの松本人志さんが、「パワハラは必要悪」と発言したことが物議を醸している。
そもそもの発端は、お笑い芸人の狩野英孝さんが未成年者への淫行疑惑で活動自粛を発表、それを扱った『アッコにおまかせ!』(TBS)の中で、和田アキ子さんが狩野さんと同じ事務所の、出川哲朗さんに生電話を要求したことがパワハラだと批判する声がネット上にわんさかと出てきたことにある。
この「騒動」を今やネットニュースにおける最大のネタ供給元となっている『ワイドナショー』(フジテレビ)が扱い、松本さんが会社や学校のパワハラはよく分からないものの、「芸能界のバラエティにおいて、パワハラはある種、必要悪」とコメントをしたのである。
この発言に対していろいろな受け取り方があるだろうが、個人的には松本さんのおっしゃることはなにも間違っていない、と思っている。
というよりも、さすが日本を代表するテレビスターのおひとりだけあって、「テレビ」の本質をズバッと言い当てていらっしゃる、という気さえするのだ。
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