ドコモ、新中期計画発表 「5G」生かして事業を変革:16年度は増収増益
NTTドコモが、2017〜20年度の中期計画「beyond宣言」を発表。新たな通信技術「5G」を活用したサービス開発を進めるという。
NTTドコモ(ドコモ)は4月27日、2020年度の中期計画「beyond宣言」を発表した。第5世代移動体通信技術(5G)を活用したサービス開発を推進し、顧客満足度の向上とパートナー企業との連携強化を図っていく。ポイントサービスや携帯料金プランなど、既存のサービス内容も見直し、収益拡大に向けた取り組みも進める。
5Gを活用し、エンターテインメント、FinTech(IT技術を活用した金融取引技術)、ヘルスケア、ドローンロボティクス――など9領域で新サービスを検討する。
具体的には、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)技術を活用した音楽ライブ視聴、AI(人工知能)による投資アドバイス、ドローンを使った物流・広告・インフラ点検などのサービスを開発し、個人・法人を問わず提供していく予定だ。
吉澤和弘社長は、「実際に5Gが実用化されるのは19年度以降を予定しているが、現行の通信環境でも実現可能なサービスは順次提供を始めたい」と展望を話す。「これまで実証実験などで培ってきたノウハウを生かしつつ、パートナー企業との共創も進める。17日に発表した『浮遊球体ドローンディスプレイ』(関連記事)などの革新的なサービスを次々と世に出していきたい」という。
ポイントサービス・携帯料金プランも改善
ポイントサービスに関しては、同社の「dポイント」を使用した決済に対応するパートナー企業を、16年度の236社から、20年度までに300社以上へと拡大。日本最大級のポイント発行額を目指すとしている。
計画の土台作りとして、5月15日からdポイントの前身「ドコモポイント」の保有者向けにdポイントへの自動移行を実施し、利用の促進を図る。
携帯料金プランでは、データを分け合えるサービス「シェアパック」契約者の家族通話がかけ放題になる「シンプルプラン」(月額1780円)と、30Gバイトのデータ容量をシェアグループ回線で分け合える「ウルトラシェアパック」(月額1万3500円)の提供を5月24日から開始するなど、サービスの幅を広げていく。
17年3月期は増収増益
多様なサービスを含む中期計画を策定した背景にあるのは、好調な企業業績だ。ドコモが同日発表した17年3月期の連結決算は、営業利益が前期比20.7%増の9447億円、純利益は19.0%増の6525億円と増収増益だった。
セグメント別では、主力の通信事業の営業利益は17.5%増の8328億円。近年注力するスマートライフ領域の営業利益が24.7%増の579億円と、それぞれ堅調だ。
通信事業では、長く契約しているユーザー向けの「ずっとドコモ割コース」(16年8月開始)、スマホ初心者向けの「はじめてスマホ割」(1月開始)など、顧客の属性に合わせたプランを相次いで展開したことが功を奏した。
スマートライフ領域では、クレジットカード「dカード」が16年10月に米Appleの決済サービス「Apple Pay」に対応したことなどが、ユーザー増加につながった。また、17年2月から英Perform Groupと共同で開始した、ドコモユーザー向けスポーツ動画ストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン) for Docomo」も、開始後2カ月で36万契約に達するなど好調だった。
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