JR東日本は5月1日、豪華寝台列車「TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)」の運行を開始した。設備が充実し、手厚いサービスが受けられる点が特徴で、1人当たり45万円〜95万円という料金ながら、来年3月分まで完売する人気ぶりだ。
初発列車は午前11時40分にJR上野駅を出発。今後、日光(栃木県)や函館(北海道)などを3泊4日かけて周遊する。このほか、塩山(山梨県)や姨捨(長野県)を周遊する1泊2日のコースなども設けている。
高価格の寝台列車を運行する狙いについて、JR東日本は「新規顧客を獲得するための施策。富裕層や、旅行好き・電車好きだけでなく、訪日外国人などにも利用してもらいたい」(広報部報道グループ)としている。
現時点で、翌年3月分までのチケットが完売。計884件の募集に対して4461件の申し込みがあり、抽選で当選者を決めた。特に応募が多かった5〜6月分は187件の募集に対して1230件の申し込みが集中し、平均倍率は約6倍に上った。
JR東の施策が奏功し、人気を集める四季島だが、今年3月、運行開始に向けた試運転中にエンジンの不具合が相次いで発生。2度ほど緊急停止する事態となっていた。
安全面の課題が指摘されるが、同社は「現時点では、技術面の課題は全て解決済みで、問題なく運行できる状態。今後はサービス面を向上していきたい」(同)と話す。
JRグループでは、JR西日本が今年6月に厳島神社(広島県廿日市市)など中国・四国地方を周遊する寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」の運行開始を予定。グループ全体で寝台列車事業に注力していく。
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