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この春「頑張り迷子」に陥っていませんか:常見陽平のサラリーマン研究所(2/2 ページ)
この時期に何かと話題に上がるのが5月病だ。5月病になってしまう理由の一つは、4月病である。その病の処方箋は……。
とにかく立ち止まって考えること
前述したように、頑張り迷子は本人だけでなく、周囲にも悪影響を及ぼす。この病は早く治療する必要がある。
頑張り迷子の処方箋は、とにかく立ち止まって考えることだ。「なぜ、そうなってしまったのか」という分析が必要だ。何かと頑張ってしまうのは「自分が認められていないと感じるから」「自信がないから」など、何かしらの根本的な理由がある。
「これは自分に期待されていることなのか」と優先順位を確かめよう。また、周りに頑張り迷子がいたら、いったん立ち止まらせよう。君がするべき仕事とは何なのか、と。もっとも全ての経験は無駄にはならない。立ち止まり、再解釈することで経験を生かしたい。
というわけでこの時期は、自分も周りも頑張り迷子になってしまわないように、要注意なのだ。
常見陽平のプロフィール:
1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。
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