浅田真央が引退したのに、なぜキム・ヨナはノーコメントなのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/3 ページ)
フィギュアスケートの浅田真央さんが4月、現役引退を表明した。日本のみならず、海外のスポーツ選手からメッセージが寄せられたが、なぜかあの人からはまだ届いていない。最大のライバルだった韓国のキム・ヨナさんである。
キム・ヨナさんの心境
ジュニア、シニアでのこうした両者の経歴を振り返って見ても浅田さんとキム・ヨナさんはやはり立派なライバル関係にあったと言い切れる。ならば、なおさらキム・ヨナさんには「本当にお疲れさまでした」と浅田さんに対してひとことくらい、コメントを送ってもいいのではないだろうか。
韓国メディアの中には「2人はジュニア時代まではよく談笑したりする仲だったが、バンクーバー五輪でメダルの色に差が生まれると明らかな距離間ができた。このあたりからヨナは浅田のことを、ほとんど意識しなくなるようになった」と見る向きもある。つまりキム・ヨナさんが浅田さんを「もうライバルとして考えなくなっていた」という見解だ。しかし仮にそうだったとしても浅田さんの引退に彼女がノーコメントを貫き通す理由としては説得力にかける。
ネット上では「単にキム・ヨナの常識がないだけ」「もともと性格が悪く嫌な女なんだから、それは当たり前のことで驚かない」「むしろ真央ちゃんに今後もずっと触れないでいただきたい」など、キム・ヨナさんへの“口激”が今も繰り返されている。匿名で一方的に誹謗中傷まがいの悪口で相手を突き放してしまうのは簡単だ。とはいえ、それだけではキム・ヨナさんの真意が分からないままで終わってしまう。では一体、なぜ彼女は浅田さんの引退について語ろうとしないのか。韓国メディア関係者が彼女の心境を次のようにひも解いた。
「もしキム・ヨナが浅田の引退について語ったら韓国国内からは彼女への批判が途端に強まるだろう。韓国スポーツ界の全選手が日本との勝負にすべてをかける覚悟で臨んでいる。我が国民はそういう期待を常に自国の選手たちへかけ続けているのだ。
浅田真央が偉大な選手であることは認めるが、キム・ヨナはその浅田にバンクーバー五輪で勝ち、金メダルに輝いた。しかも4年後の2014年ソチ五輪でも彼女は銀メダルで、浅田は6位入賞止まり。その実力差は決定的なものになった。五輪はすべての競技において優劣を決める世界最高のスポーツ大会。その大事な五輪で韓国のスーパースターが日本のスターに勝ったという事実は揺るがない。『浅田に五輪で勝った偉大なる金メダリスト』のイメージを守り抜く意味でも、やはりキム・ヨナは浅田に関するコメントを口にしないほうが賢明に決まっている」
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