Flashアニメ制作事業などを展開するディー・エル・イー(DLE、東証1部)は5月15日、2017年6月期の連結最終損益が16億円の赤字に転落する見通しだと発表した。従来予想は4億9200万円の黒字だった。中国事業でつまづいた上、映像業界でクリエイター不足が深刻化し、人材確保が難しいことから一部の映像制作事業から撤退することなどが響く。
不採算事業の整理と経営の効率化に向け、20人程度の希望退職を募集する。単体従業員(3月末時点で94人)が対象。経営責任を明確化するため、椎木隆太代表取締役らの役員報酬を5月から6カ月間、50%減額する。
中国大手動画配信サイトとの映像制作が不確実なため、納品時期を来期に変更したほか、中国の越境EC事業で現地企業との提携を解消したことなどから、売上高は前回予想から23億円強減り、42億8600万円へと大幅に下方修正。営業損益も8億8700万円の赤字に転落する。
中核のFlashアニメ事業は低コスト・短納期というメリットを生かして業績を拡大してきたが、新規IP(知的財産)開発ではFlashアニメ以外の領域にも進出していた。だが映像制作業界でプロデューサー、クリエイターなど人材がひっ迫、想定していたプロデュース・制作体制を構築できなかったという。
その結果、リソースが分散し、新規IPの育成と既存IPの成長が鈍化。人件費など固定費が売り上げを上回る事態になり、営業赤字に。リストラ費用や減損損失などを計上する結果、最終赤字に転落する見通しになった。
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