調査リポート
働き方改革の裏に「持ち帰り残業」あり?:80時間以上の持ち帰り残業も
残業時間削減の裏で、「持ち帰り残業」や「隠れ残業」が増えている?――アイキューブドシステムズ調べ。
働き方改革が提唱され、残業時間の削減を目指す企業が増えている。その一方で、仕事を自宅や外出先に持ち帰る「持ち帰り残業」や、会社に申告していない「隠れ残業」が多くなっている――企業の働き方改革の支援を手掛けるアイキューブドシステムズは5月15日、オフィスワーカーの労働環境とストレスに関する実態調査結果を発表した。
早朝・夜間や休日に自宅や外出先で「持ち帰り残業をすることがある」と答えた人は44.8%。1カ月の持ち帰り残業時間は、「5時間未満」(50.8%)が最多だったが、「20時間以上」も11.7%あり、中には「80時間以上」という回答もあった。
「持ち帰り残業のうち、会社に申告していない仕事時間がある」と答えたのは83.4%。ほとんどの人が持ち帰り残業を「残業時間」として申告しておらず、企業が把握できていない実態が見えた。
隠れ残業をしている人は、していない人に比べ、退職意向が1.2倍になっており、アイキューブドシステムズは「隠れ残業が退職の引き金の1つとなっている」と分析している。
調査期間は3月30〜31日。関東に勤めるオフィスワーカーの20〜50代男女824人を対象に、インターネット調査を行った。
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