歩道やマンションを走る「自動宅配ロボット」、登場:宅配事業者の負担を軽減
ロボット開発・販売のZMPが、歩道やマンションの内部を自動走行する宅配ロボットを開発したと発表。人手不足などが課題となっている宅配事業者などを支援する狙い。
ロボット開発・販売のZMPは5月18日、歩道やマンションの内部を自動走行する宅配ロボットを開発したと発表した。荷台部に宅配ボックスを搭載し、周囲の環境を認識しながら荷物を目的地に届ける機能を持ち、人手不足などが課題となっている宅配事業者や小売事業者を支援する狙いがある。
開発したのは、宅配事業者に導入予定の「CarriRo Express(キャリロ エクスプレス)」と、スーパーやコンビニなど小売事業者に導入予定の「CarriRo Delivery(キャリロ デリバリー)」の2機種。
CarriRo Expressは、宅配事業者がトラックでマンションの入り口まで輸送すると、マンション内を自動走行して受取人宅の玄関前まで荷物を届けるロボット。エレベーターと通信を行い、ドアの開閉や目的階を入力することで、各階を行き来できるという。
荷物が到着した際は、専用のスマートフォンアプリで受取人に通知する。受取人は、宅配ボックスの開閉もアプリで操作できる。
CarriRo Deliveryは、スーパーやコンビニの店舗から、顧客の自宅まで商品を配送するロボット。インターネット通販(EC)サイトなどで商品を購入すると、障害物を避けながら自動走行して商品を届けるという。
現在の技術では、車道を長時間走行することは難しいため、限られた地域内の歩道のみ走行が可能。利用シーンは、病気や介護などで急きょ薬や食品が必要になった顧客に、近隣の店舗から商品を届けるケースなどを想定している。
サイズは2機種ともに750(幅)×1090(高さ)×1330(奥行き)ミリ。リース価格などの料金は、現時点では未定。
ZMPは今後、パートナー企業を募って実証実験を行い、実用化に向けて検討を進める方針だ。
同社の広報担当者は、「自動運転技術は実用化できる水準に達しているが、マンションのエレベーターが古い場合は目的階を入力できないなど、インフラ面が課題となっている。実証実験などを通じて課題を解決し、早期の実用化を目指したい」と話している。
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