Dropboxがビジネス版に本腰 企業の働き方変える:新社長も就任
Dropbox Japanが今後の事業戦略を発表。五十嵐新社長のもと、ビジネス向け製品「Dropbox Buisiness」を強化し、さらなる法人客の獲得を図るという。
オンラインストレージサービス「Dropbox」の国内展開を手掛けるDropbox Japanが5月25日、今後の事業戦略を発表。「働き方改革」をテーマに、ビジネス向け製品「Dropbox Buisiness」を強化し、さらなる法人客の獲得を図るという。
戦略を推進するに当たって、日本マイクロソフトやApple日本法人で幹部を歴任した五十嵐光喜氏が新社長に就任。事業を加速させていく。
法人向け事業を強化する理由について、五十嵐社長は「現在のビジネス界では、働き方改革の一環としてテレワークを導入する企業が増えており、どこからでもアクセスできる共有フォルダのニーズが高まっているため」と説明。「大容量のファイルを高速で送受信できるDropboxなら、貢献できる余地があると考えた」という。
同社は今年1月から法人向け製品を再編。2TBのストレージを提供する「Standard」(1ユーザー当たり月額税別1250円)、必要に応じた容量を提供する「Advanced」(同2000円)、オーダーメイドのサービスを提供する「Enterprise」(個別見積もり)──3種類とし、顧客のニーズに応じた商品を提供できる体制を整えた。
法人向け製品の主なターゲットは、画像や文書のやり取りが多いメディアや建築事業者、マーケティング、デザイン、セールス関連企業を想定する。
既に、ABC朝日放送(大阪市)や、建築業の加賀田組 東京支店(東京都新宿区)などが導入し、遠隔地での映像ファイルやCADファイルのやり取りに活用。業務効率の改善に成功しているという。
オンラインストレージ市場は競合も多いが、五十嵐社長は、「法人向けプランに組み込まれているチーム向け文書作成アプリ『Paper』が当社の強みになる」という。
Paperは、クラウド上の文章を他のユーザーと共同編集できるアプリで、日本語、英語、フランス語など20カ国語に対応。編集の自由度が高く、チーム内でのコミュニケーションツールとしても利用できる。
具体的には、テキストファイル上にタスクリストとチェックボックスを追加してタスク管理ツールとして活用したり、遠隔地からアップロードされた画像や動画にコメントしたりといった使用法が可能だ。チャットツールも付属しており、遠隔地とのミーティングをより円滑化するという。
五十嵐社長は「ビジネスの現場では、会社が選択したテクノロジーを従業員に使わせるのではなく、従業員が希望したテクノロジーを会社が選択するケースが増えている。この流れに乗り、ストレスなく使える機能をそろえたDropboxを多くの企業に使ってもらいたい」と話している。
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