「引退」がささやかれても、なぜハンカチ王子はたまに結果を出すのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
ある意味で「スゴい」と認めざるを得ない。日本ハム、斎藤佑樹投手のことだ。入団以来、ブレイクすることなく何度も「引退」がささやかれながら、なぜたまに結果を出すのか。
“ヤバ過ぎるニオい”を感じ取る
「以前、日本ハムにも出入りしていた女性記者が各球団の有力選手たちに電話番号入りの名刺を渡し、斎藤もターゲットに定められたことがあったんですよ。しかしながら斎藤はすぐさま“ヤバ過ぎるニオい”を感じ取って、名刺は受け取ったものの彼女にはもちろん一切連絡をすることはなく、その後も距離を置くようにしていたのです。すぐ後にこの女性記者は所属していた会社を退社し、セクシータレントへ転向しました。
その後、彼女は他の媒体を通じて、自分と不埒(ふらち)な関係があったプロ野球選手をイニシャルトークで暴露する暴挙に出て、球界全体に大きな波紋を広げてしまった。イニシャルを出された選手は言うまでもなく大慌て。だが斎藤は持ち前の“無関心力”によって、この危機を回避できたわけです」
とはいえ、2016年は脇の甘さも露呈してしまった。昨年夏に早稲田実業、早稲田大学の先輩である出版社の社長からポルシェなどの提供を受けていたと『週刊文春』によって報じられてしまった。文春には同社社員が「社長が関連会社でリースして又貸しした」などと告白したコメントが掲載されたが、その後は別のメディアの取材によって斎藤が同社長に一定のリース代を支払っていたことが判明。くだんの社長も「リース代はきちんととっている」と反論したこともあって球団は特におとがめなしの判断を下したが、結果を出していなかった斎藤には“おねだり王子”のネーミングがつけられるなど世間の印象は一気に悪化してしまった(関連記事)。
ところが斎藤はこれに弁解する姿勢を見せることなく騒動を粛々と受け止め、あえて“貝”になってダンマリを決め込んだ。ここで世間の反応を過剰に気にする余り、変に言い訳をすればますますドツボにハマってしまうだけと踏んだのである。
この読みが功を奏し、ポルシェ騒動は拍子抜けするほど意外に早く沈静化。思いのほかにあっけなく幕引きされる形になった。つまり、これも世間に“エクスキューズ”する必要はまったくないとする自身独特の「無関心力」によって斎藤は結果的に救われたのだ。
関連記事
- ボロボロになりながらも、引退しない松坂大輔の末路
かつて日米を沸かせた怪物伝説も、とうとう終焉の危機を迎えてしまった。福岡ソフトバンクスホークスの松坂大輔投手である。移籍2年目にして最後の最後でチャンスを与えられたが、結果は……。 - なぜ浅田真央が好かれ、安藤美姫は嫌われたのか
女子フィギュア界の国民的ヒロイン・浅田真央選手が引退を表明した。多くのマスコミが大々的に報じ、その影響力の高さを改めて証明する形になったが、もうひとりの存在を忘れてはいけない。安藤美姫さんだ。 - なぜ時刻表に“謎ダイヤ”が存在するのか
鉄道の時刻表を調べる際、スマホで検索している人が多いだろうが、実は紙の時刻表をじっくり見ると、興味深い情報がたくさんある。例えば、実際に走っていない特急が走っていることも。どういうことか。『JTB時刻表』の大内編集長に、謎ダイヤの真相を聞いた。 - 野球評論家の張本勲氏は、なぜ失言を繰り返すのか
人気情報番組『サンデーモーニング』に出演している野球評論家・張本勲氏のコメントが、ネット上でしばしば“炎上”する。現役時代の張本氏は偉大な選手だったのに、なぜ失言を繰り返すのか。スポーツライターの臼北氏が分析したところ……。 - スポーツ界で“オレ様”が減っている、なるほどな理由
結果を出す人と、出せない人にどのような違いがあるのか。オリンピック4大会に出場し、4つのメダルを獲得した、水泳の松田丈志さんに話を聞いたところ「周囲から応援される人は結果を出しやすい」という。どういう意味か。話を聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.