だから、総合格闘技「RIZIN」の視聴率は低迷した:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
フジテレビが放送した総合格闘技イベント「RIZIN」の視聴率が6.3%にとどまった。フジテレビは「健闘した」とアピールしたが、本当にこの数字に満足しているのだろうか。視聴率が低迷した原因は、やはり……。
再びMMA人気はやってくるのか
最後に日本のMMA人気低迷は一部の心ないネットユーザーにも足を引っ張られている現状があることも補足しておきたい。アクセス数を欲しがる人の存在だ。格闘技専門メディア以外のライターがMMAの話題に触れ、それが気に入らないとなると、そのサイトについて揚げ足を取るように否定的な書き込みを行ったり、時にケンカを売るようなマネをしたりする非常に迷惑なWebサイトが実際に見受けられる。
知人で現在米国在住の格闘技ライターも「残念ながら、そういう人がいる点もこの業界では問題視されている」と嘆き、次のように続けている。
「格闘技専門以外のスポーツメディアやスポーツライターが違う目線から論評することで、新たなファン層が広がる可能性がある。このことはどのスポーツにも当てはまる。
ところがMMAファンの一部は、新しい風が吹き込むことを嫌っている。だから排除しようとする。自分たちのシマを荒らされたくないという村社会のような意識が働いているのかもしれない。
これでは日本のMMA界は格闘技ライターばかりしか残らず、幅広い分野で活動するライターもMMA取材を当然嫌がる。ファンも一部の人たちに独占されたままとなってしまい、業界の成長は見込めない」
果たして日本のMMA界に再び人気爆発の時がやって来るのだろうか。RIZINと中継局のフジテレビを巡る現状、そして周辺を取り巻く排他的な環境が大幅に改善されない限り“奇跡の復活”を遂げることは難しいと思われる。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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