「地方巡業」の増加で、力士が壊れてしまうかもしれない:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
大相撲秋場所の熱戦が連日、両国国技館で続いている。ただ、幕内力士がこれだけ不在となると、どうしても盛り上がりに欠けてしまう。なぜ、力士が次々に欠場するのかというと……。
大相撲の環境が大きく変化している
17年6月末に行われた力士会の会合に協会側の尾車事業部長(元大関琴風)が参加した。協会幹部が力士会に参加することは非常に珍しいケースで、近年の過密日程化などに不満を募らせて待遇改善を求める力士たちの動きに協会側が神経を尖らせているフシも見え隠れする。この場で力士会側からは巡業開催地への移動や日程面などに対してあらためて考慮してほしいとの要望が出されたというが、それが反映されるかどうかは正直不透明だ。
もしかすると昔を知る大相撲ファンの中からは「地方巡業は今から23年前に70日間以上、開催されていたのだから今の力士たちが過密日程うんぬんを理由に文句を言うのは腑抜けだ」などとイチャモンを付ける人が出てくるかもしれない。だが今と昔は大相撲の環境面が大きく変化している点も忘れてはいけない。
外国人力士が隆盛を誇る今、力士たちは以前よりも大型化している。パワー一辺倒の相撲を取る力士も増えつつあり、それに対応する意味でもトレーニングやコンディショニング調整、そして稽古に没頭する時間は昔よりも格段に必要だ。
あえてタブーの面に触れれば「八百長の根絶」という部分も近年の環境の変化として絡んでくるだろう。協会側はかつて人気低下の大きな要因となった11年の八百長問題発覚以降、それまでタブーとされていた事項に真剣に取り組んでいる。
問題発覚前にも一部週刊誌などで「元力士○○が八百長を告発」という話題が掲載されるケースが幾度となくあったが、それも今は昔。「7勝7敗の三役力士がほぼ決まって千秋楽に勝ち越す」という“奇妙な流れ”の取組も昨今、見られない。これら過去の出来事はあくまでも「疑惑」だが、そういう疑わしき取組にも目を光らせる協会側の強い姿勢によって近年の大相撲は「ガチンコ」の勝負が人気再興の大きな柱となっている。
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