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「なぜあの人が昇進?」人事から見えてくる会社の“いま”:常見陽平のサラリーマン研究所(1/3 ページ)
人事というのは経営陣からのメッセージである。誰が営業部長、マネジャー、リーダーに上がるかによって、その企業や事業部が目指す営業スタイルや方針を読み解くことができるのだ。
私が会社員だった頃、ニックネームは「黒服」だった。以前、東京スポーツで連載されていた芸能ゴシップコーナー「六本木黒服情報」(六本木の黒服が有名人のうわさ話を紹介するというコーナー)が元ネタだ。私は平社員なのに、人事の情報にやたらと詳しかったのだ。
当時私がいた会社は情報管理に関してワキが甘く、社内のネットワークに保管されている人事に関するヤバい資料は「組織」「人事」などのキーワードで検索することで、簡単に見ることができた。
偉い人のスケジューラーをのぞいて、誰と誰が面談しているかなども当然、チェックしていた。人事が正式に発表される前に「影の人事部長飲み会」と称して、若手社員同士で、上司や同僚の栄転・左遷話を肴(さかな)に盛り上がったものだ。
それはそうと、もう10月だ。人事異動、転職シーズンである。内定式もある。Facebookなどでの異動、転職に関する意識高い書き込み(退職ポエム)も多数、見聞きした。内定式に関連して、若者にいきなり熱いメッセージを送る奴もいて、大変香ばしく、楽しい。意識高い系ウォッチャーとしては、たまらない季節ではある。
ただ、楽しんでばかりいてはいけない。人事というのは経営陣からのメッセージでもあるからだ。誰が営業部長、マネジャー、リーダーに上がるかによって、その企業や事業部が目指す営業スタイル、方針を読み解くことができるのだ。
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