ローソンが「FGO」のコラボ店舗をオープンするワケ:秋葉原に期間限定レイシフト(1/2 ページ)
ローソンが11月1日から「Fate/Grand Order」とのコラボキャンペーンを開始。コラボを記念し、10月28日に秋葉原の店舗を「FGO」仕様に変更し期間限定オープンした。「旗艦店」を作る理由とは?
ローソンは11月1日からスマートフォン向けゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」とのコラボキャンペーンを実施する。コラボを記念し、東京・秋葉原の「ローソン秋葉原スクエア店」が「FGO」仕様にチェンジして登場した。10月28日から12月4日まで期間限定。
ゲームの世界観を再現したコラボレーション装飾やオリジナルのボイスなどが放送されるほか、店舗名がゲームにちなんだ名称「人理継続保障機関 フィニス・カルデア前店」に変更。オリジナルグッズの販売も行う。コンビニに「FGO」のデコレーションが施されるのは初。
「Fate/Grand Order(FGO)」は、2015年夏にリリースしたスマホゲームアプリ。TYPE-MOONによるPCゲーム作品「Fate/stay night」(2004)から始まる「Fate」シリーズの1作で、17年9月には累計1000万ダウンロードを突破した。セールスも好調で、北米・中国・韓国と海外にも進出している。
「『カルデアにローソンがあったら』をテーマにさまざまな装飾を施しています。見上げればフォウくんが跳んでいたり、サーヴァントの立ち姿が並んでいたり……マスターの皆さまが遊びに来て、サーヴァントと買い物をしている感覚になる店舗に仕上がっていると思います」(「FGO」開発会社ディライトワークスのマーケティング担当者)
なぜローソンと「FGO」がコラボ?
ローソンは以前からアニメやゲーム作品とのコラボを積極的に行っている。その理由はなんだろうか。
「『エンタメならローソン』『ローソンは面白い』というイメージを訴求していきたい考えからです。コンビニ各社は客数を伸ばすためのさまざまな工夫を行っていますが、ローソンではコンテンツとのコラボを行うことで、若い新たな客層に来店してもらうきっかけになることを目指しています。コンテンツがビッグになる前にお声がけすることで、ローソン側にもコンテンツ側にとってもWin-Winの関係になればいいと思っています」(ローソン担当者)
「FGO」にとっても、全国展開のコンビニでキャンペーンを行うことは、新規のユーザーへの認知拡大効果や、地方のユーザーに対するアピールを期待できる。コラボ企画はローソンから声をかけ、7月ごろから準備を進め秋からの実施となった。
全国規模のコラボキャンペーンは定期的に行っているローソンだが、ラッピング店舗を展開するのは2010年の「エヴァンゲリヲン新劇場版」とのキャンペーン以来。
「『エヴァ』コラボでは箱根にキャンペーンのいわば『旗艦店』を作りました。旗艦店は、キャンペーンの注目を上げるプロモーションとしてうまく活用できます。近年は来店した方がTwitterなどのSNSで情報を拡散してくれることが多いため、昔よりも旗艦店の必要性が高まってきているように思います」(ローソン担当者)
アニメやゲームなどのコンテンツのコアなファン層には、SNSを活用しているユーザーも多い。ラッピング旗艦店に訪れたファンが写真や感想などを投稿し、キャンペーンへの関心が高まる「口コミ」効果も狙っているというわけだ。
「エヴァの旗艦店では、立地などの条件があまり良くなく、大混雑を招いてしまったという反省があります。今回は『混雑しても導線が確保できるかどうか』など、オペレーションの問題をクリアできる店舗を旗艦店にしています。秋葉原という町自体、ゲームユーザーが多く、コンテンツとの親和性も高いと考えています」(ローソン担当者)
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