JR西、のぞみ号の「インシデント」詳細発表 台車に14センチの亀裂:台車の変色や油漏れも
JR西が、11日に発生した「重大なインシデント」の詳細を発表。「のぞみ34号」の長さ17センチの台車の鋼材に約14センチの亀裂が生じ、破断寸前の状態だった。
JR西日本は12月19日、11日に博多駅〜東京駅間を走行中の東海道・山陽新幹線「のぞみ34号」から異臭・異音が発生し、名古屋駅で停車した「重大なインシデント」の詳細を発表。長さ17センチの台車の鋼材に約14センチの亀裂が生じ、破断寸前の状態だったことが分かった。台車にはこのほか、一部に変色や油脂の付着もみられた。
JR西によると、走行中に乗客から「車内にもやがかかっている」「焦げたような臭いがする」――と指摘があったものの、指令員や車掌は「臭いが若干あるが、継続的なものではない」「運転に支障はない」と判断。名古屋駅での点検で油漏れが確認されるまで通常通り運転を続けていた。
JR西はこうした対応に対し、「車両の極めて重要な部位である台車に亀裂や油漏れを発生させたこと、運行中に異常を感じたにもかかわらず走行を継続させたことに、大きな課題があったものと重く受け止めています」とし、「お客さまをはじめ、関係する多くの皆さまに、深くお詫び申し上げます」と謝罪している。
同社は今後、社員に(1)異常がないことを確認できなかった場合は、ちゅうちょなく列車を止める、(2)「音、もや、臭い」などが複合的に発生した場合は、直ちに列車の運転を見合わせて車両の状態を確認する、(3)現地の状況がより正確に指令員に伝わるよう、コミュニケーションツールの活用を検討する――などの対応を課すとしている。
JR西は今後も原因究明に向けた調査を継続し、対策を立案する方針。
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