サンスターのスマート歯ブラシ「G・U・M PLAY」が進化 歯科衛生士が「磨き方」指南:クラウド×IoTで虫歯を防ぐ
サンスターグループ オーラルケアカンパニーと富士通が、IoT歯ブラシ「G・U・M PLAY」と連動する歯科医院向けクラウドサービスを発表。患者はスマートフォンのアプリ上で歯科衛生士から歯磨きのアドバイスなどを受けられる。
サンスターグループ傘下のオーラルケアカンパニーと富士通は12月25日、サンスターグループのIoT(モノのインターネット)歯ブラシ「G・U・M PLAY(ガムプレイ)」と連動する歯科医院向けクラウドサービスを発表した。患者がスマートフォンのアプリ上で歯科衛生士から歯磨きのアドバイスなどを受けられるもので、虫歯や歯周病の治療を効率化する狙い。
「G・U・M PLAY」はスマホとBluetoothでつながる歯ブラシ。ユーザーの歯磨きの頻度、所要時間、磨き方の癖、磨き残しの状況――といった情報を取得し、アプリに送信できる点が特徴だ。新サービスでは、こうした情報をクラウド経由で歯科医院と共有する。医院側は患者の状況を把握し、最適な歯磨きの手順や時間配分などの指導につなげられるという。
歯科医院は、電子カルテに記載された医療情報やレントゲン写真をクラウドにアップし、患者と共有することも可能。転勤や引越などで転院を余儀なくされた場合も、カルテの情報を次にかかる歯科医院と共有することで、スムーズな医療を実現するとしている。
富士通の広報担当者は「導入した医院の利益に直結するわけではないが、医療の質の向上に貢献できる点がクラウドサービスの特徴だ」と説明する。
「歯を失う患者を減らしたい」
開発に協力した、日吉歯科診療所の熊谷崇理事長は「日本の歯科医療は対症療法が中心になっており、虫歯や歯周病になった後に治療を施すケースが多い」と指摘。
「状況を根本から改善するには、患者が質の高いホームケアを行うことが不可欠だ。メンテナンスのために定期的に通院し、しっかり予防することも重要。クラウドサービスを活用して患者と密接なコミュニケーションを取り、歯を失う患者を減らしたい」と意気込んだ。
サービス開始は2018年1月31日を予定。患者の利用料は無料とし、医院側が利用状況に応じて代金を支払う形式とする。料金は個別見積もり。20年までに、虫歯や歯周病の予防に積極的な「予防型歯科医院」500軒への導入を目指す。
啓発活動も実施
サンスターグループは「G・U・M PLAY」と、取得した情報をクラウドに送信する技術を提供する。富士通は、クラウドサービス全体の構築と、VPN(仮想私設網)によってカルテを安全に送受信する仕組みの構築を担う。
サンスターグループ オーラルケアカンパニー マーケティング部の淡島史浩統括部長は、「口腔内の健康状態は、全身の健康状態に影響を及ぼす。当社の技術でユーザーの全身の健康に貢献したい」と強調。
富士通 新ビジネス推進室の山田直樹室長は、「予防歯科の重要性はなかなか認知されていないため、一般消費者向けの啓発活動も行っていきたい」と話している。
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