独VW監査役会、「サルで排ガス実験」報道巡り調査要求:動物実験か
Volkswagen監査役会は、独自動車メーカーが欧州機関に委託したディーゼル車の排ガス実験でサルが対象になったとの報道を受け、速やかに調査を行い、責任の所在を明確化するよう求めた。
1月29日、フォルクスワーゲン(VW)の監査役会は、同社を含む独自動車メーカーが欧州機関に委託したディーゼル車の排ガス実験でサルが対象になったとの報道を受け、速やかに調査を行い、責任の所在を明確化するよう求めた。写真は同社のロゴ。米デトロイトで16日撮影(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)
[フランクフルト 29日 ロイター] - フォルクスワーゲン(VW)
VW監査役会長のハンス・ディーター・ペッチュ氏は29日に出した声明で、「この問題について詳細な調査が行われるよう、あらゆる手を尽くす」と表明。「責任の所在を明確にすべき」とした。
米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は前週末、複数の独自動車メーカーが「運輸部門における環境と健康に関する欧州研究グループ(EUGT)」と呼ばれる機関に実験を委託したと報じた。実験は、ディーゼル車の排ガスに含まれる物質に発がん性があるとの指摘があったことを受け、評判の悪化を防ぐ目的で2014年に行われた。
EUGTは昨年、廃止されており、コメントは得られていない。ロイターは14年に行われた実験の詳細を確認できていない。
NYTによると、EUGTは実験に必要な資金を全額、VW、ダイムラー
欧州連合(EU)欧州委員会の報道官は、第三者機関による実験の報道について承知しているとした上で、30日にブリュッセルで開催する大気質に関する閣僚会議で「当該国の閣僚から説明を受けることを望む」とした。
米ゼネラル・モーターズ(GM)
VW、ダイムラー、BMWも27日にサルを対象にした実験を非難している。
VWは29日、一部のスタッフは実験が行われた当時、これを承知していたと説明。ただ、取締役会で議題になったことはないとした。
独政府のザイベルト首席報道官は定例会見で、サルや人を対象にした排ガス実験は倫理上、正当化できるものではないと強調した。
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