過熱する「チーズタッカルビ」ブーム いつまで続く?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/5 ページ)
韓国料理をベースにしたフュージョン料理「チーズタッカルビ」がヒットしている――。今回は、チーズタッカルビなる料理が日本の外食で広がっている現況と、新大久保コリアン街を再生させて、日本全国に普及した過程を解説していきたい。
韓国料理をベースにしたフュージョン料理「チーズタッカルビ」がヒットしている――。
牛丼チェーンの「松屋」が1月23日に「チーズタッカルビ定食」を新発売。ファミレスの「デニーズ」、コンビニの「ファミリーマート」でも、チーズタッカルビを今冬シーズンの目玉商品として販売している。全国チェーンのメニューに次々と採択されて、一気に知名度が高まった感がある。
レシピサイト「クックパッド」の2017年食トレンド大賞の1位に「チーズタッカルビ」が選出され、いよいよトレンドから普及の段階に入った。
タッカルビとは鶏肉と野菜をコチュジャンベースの辛いソースで炒めたもの。韓国・春川の名物だが、これにチーズを絡めたのがチーズタッカルビだ。とろけたチーズを絡ませることで、チーズフォンデュのようにまろやかな味の変化が楽しめる。
チーズタッカルビは、東京・新大久保コリアン街にある「市場タッカルビ」という店が開発した創作料理だ。インスタ映えすると話題になり、10〜20代の女性の間で爆発的な人気となった。今やコリアン街のほぼ全ての店が、こぞってチーズタッカルビをメニュー化し、看板にチーズタッカルビ提供店であることをアピールするようになっている。
チーズタッカルビの起爆力にけん引されて、一時期閑古鳥が鳴いていたコリアン街がよみがえり、「TWICE」(トゥワイス)のような新しいK-POPアイドルや、韓国の化粧品も見直されるようになった。
今回は、チーズタッカルビなる料理が日本の外食で広がっている現況と、新大久保コリアン街を再生させて、日本全国に普及した過程を解説していきたい。
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