ランドセル商戦の早期化 震災が後押し:入学1年前から情報収集が当たり前(1/3 ページ)
今年もランドセル商戦がスタートした。“ラン活”という言葉があるほど商戦は早期化し、1個あたりの価格も上昇している。
「あと1カ月で年長(5歳児)クラスか」
「そろそろランドセルを買う準備しなくちゃね」
「え!? 小学校に入るのは1年後だろ?」
「周りのママ友はもう“ラン活”始めてるのよ!」
おそらくこんな会話が日本中の家庭で交わされていることだろう。
いよいよ2019年春向けのランドセル商戦が本格的にスタートした。総合スーパーを展開するイオンリテールは3月6日から全国約450店舗の「イオン」「イオンスタイル」でランドセルの予約販売を開始する。今年は約250種類のランドセルを用意した。広報担当者が「年間の児童数から計算すると約4人に1人が当社のランドセルを購入している」と説明するように、イオンリテールは国内最大級のシェアを誇っているためランドセル市場に与える影響は大きい。
今年のトレンドは「子どもの負担を軽減したい」と「超大容量サイズで自分だけのランドセルがほしい」という2点である。
「脱ゆとり教育」の影響で教科書の総ページ数はこの10年で約35%増えた(一般社団法人教科書協会「教科書発行の現状と課題」2017年調べ)。さらに運動不足が原因で腰痛に悩む小学生が増えているという。そこで、イオンリテールの売れ筋商品である「トップバリュ セレクト みらいポケット パターンオーダーフラットキューブ」は、容量を増やしながらもランドセルを身体に密着させるようにして負担感を減らす工夫をしている。子どもが好きな本体カラーや鋲などを選べるように最大1080通りのランドセルがオーダー可能だ。最も売れる価格帯は「5万円前後」(同社広報担当者)だ。
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